アンプル入りかぜ薬事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/24 10:10 UTC 版)
「総合感冒薬」の記事における「アンプル入りかぜ薬事件」の解説
1950年代当時は、錠剤や粉末状とは別の剤形の有効成分を水溶液に混合してアンプルに入れた「アンプル入りかぜ薬」が各社から発売されており、飲用することで即効性があるなどしたため需要はあったものの、解熱剤としてピリン系製剤(アミノピリンやスルピリンなど)が多く含まれていたため、ショックなどのアレルギーで死亡する消費者が続出、1959年から1965年までに38人の死者を出した。厚生省は1965年に製薬企業に発売停止や回収などを指示した。しかし、その後もこの「アンプル入りかぜ薬」は販売されており、同年に国会の社会労働委員会で問題になるなどして、全面発売禁止命令が出されるまで販売が続いていた。これは「アンプル入りかぜ薬事件」(薬害)と言われ、同時期に社会問題化したサリドマイド薬害の事も踏まえて、医療用医薬品の一般消費者向けの宣伝広告が制限・禁止されるようになる。 なお、ピリン系製剤で副作用の頻度が少ないイソプロピルアンチピリンを主成分とした頭痛薬や総合感冒薬が、即効性を売りに販売されているが、ピリン系製剤のアレルギー体質でなければ過度の心配の必要はない。
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