アントニア・フレーザー
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アントニア・フレーザー(アントニア・フレイザー、Antonia Fraser CH DBE FRSL、1932年8月27日 - )は、イギリスの小説家・伝記作品で著名。父がロングフォード伯爵であるため、正式にはミスやミセスではなく、レディ・アントニア・フレイザーと呼ぶ。1999年に大英帝国勲章CBE(司令官)を、2011年に同DBE(司令官騎士)を受章した。
来歴
ロンドン生まれ。オックスフォード大学レイディ・マーガレット・ホール校卒。イギリス史を題材にした作品を執筆しており、『スコットランド女王メアリ』で1969年度のジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を、『信仰とテロリズム―1605年火薬陰謀事件』(1996年)で、セント・ルイス・リテラリー・アウォードとCWA賞・ゴールドダガー賞(ノンフィクション部門)を受賞した。
2001年に公刊した『マリー・アントワネット』は『映画 マリー・アントワネット』(ソフィア・コッポラ監督、2006年公開)の原作にもなった。
一方で歴史家デイヴィッド・スターキーには「おとぎ話の語り直しに過ぎない」と痛烈に批判されている。
前夫は政治家のヒュー・フレイザーで、その娘フローラ・フレイザーも伝記作家として活動中である。従妹に政治家ハリエット・ハーマンがいる。2人目の夫である劇作家ハロルド・ピンターは、2005年にノーベル文学賞を受賞し、2008年末に長期の闘病生活を経て亡くなった。2010年に夫ピンターの回想記を出版した。
主な日本語訳書
- 小説
- 尼僧のようにひそやかに(北見麻里訳、ハヤカワ・ポケットミステリー(早川書房)、1978年)
- 野生の島(北見麻里訳、ハヤカワ・ポケットミステリー、1979年)
- 赤い絵は見ている(北見麻里訳、ハヤカワ・ポケットミステリー、1983年)
- 哀しみのカーテンコール(北見麻里訳、ハヤカワ・ポケットミステリー、1985年)、各:ジマイマ・ショア・シリーズ
- 歴史作品
- マリー・アントワネット(野中邦子訳、ハヤカワ文庫NF(上・下)、2006年)
- スコットランド女王メアリ(松本たま訳、中央公論社、1988年/中公文庫(上・下)、1995年)
- ヘンリー八世の六人の妃(森野聡子・森野和弥訳、創元社、1999年)
- 信仰とテロリズム 1605年火薬陰謀事件(加藤弘和訳、慶應義塾大学出版会、2003年)
- おもちゃの文化史(和久明生・菊島章子訳、玉川大学出版部、1980年)
関連項目
- ケーキを食べればいいじゃない - 一般にはフランス王妃マリー・アントワネットの逸話として認識されるが、アントワネット自身の発言としては記録に残っていない。フレーザーもまたアントワネット説を否定し、マリー・テレーズ・ドートリッシュが発言者であると主張。
脚注
注釈
出典
固有名詞の分類
イギリスの小説家 |
ウォルター・ペイター メルヴィン・バージェス アントニア・フレーザー ジョン・ファウルズ ロード・バーナーズ |
イギリスの著作家 |
ジョン・ハリディ ウォルター・ペイター アントニア・フレーザー テンプル・シュヴァリエ チャールズ・ラム |
ノンフィクション作家 |
リチャード・ローズ アントニア・フレーザー チボル・セケリ マルク=アンドレ・ラファロヴィチ ロバート・F・マークス |
イングランドのカトリックの人物 |
ジョン・ディーコン グラント・レッドビター アントニア・フレーザー ジョン・ウィクリフ メアリー・ダグラス |
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