アリールイエンダイクとは? わかりやすく解説

アリー・ルイエンダイク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/12 14:02 UTC 版)

アリー・ルイエンダイク
基本情報
国籍 オランダ
生年月日 (1953-09-21) 1953年9月21日(70歳)
出身地 オランダ、ソメルスダイク
チャンプカー・ワールド・シリーズでの経歴
ルイエンダイクのローラシボレー(1990年のインディ500優勝車)
アンディ・グラナテッリのチームのマシンを駆るルイエンダイク(1991年)

アリー・ルイエンダイク (Arie Luyendyk (本名 Arie Luijendijk) , 1953年9月21日 - ) は、オランダ人のレーシングドライバー。特にアメリカで活躍しており、インディ500で2勝を挙げている。苗字の英語発音は"ライエンダイク"に近い。通称「フライング・ダッチマン」。

略歴

ソメルスダイクに生まれたルイエンダイクは、1970年代前半にレース活動を開始し、オランダ国内戦のタイトルをいくつも獲得した。1977年にはヨーロッパのジュニア・フォーミュラの一つであるフォーミュラ・ヴィー(スーパーVee)のタイトルを獲得し、F3に転向した。1979年のヨーロッパF2選手権にスポット参戦するが、1980年途中で参戦資金の問題によりレース活動を一時中断せざるを得なくなった。1982年にイギリスF3とドイツF3選手権にスポット参戦するが、ヨーロッパでのレース参戦は資金が尽きこれ以上続けられなかった。

ルイエンダイクは1984年にアメリカに渡る。キャリアの成功は続き、すぐにスーパーVeeのタイトルを獲得した。スポンサーであるProvimi Vealの支援を受けて、1985年に初めてCARTへのフル参戦を果たしたルイエンダイクは、シーズンとインディ500の2つのルーキー・オブ・ザーイヤーを獲得した。ルイエンダイクのCART初勝利は5年後の1990年に達成されたが、これはシリーズで最も重要なレース、インディ500で達成された。ダグ・シアソン・レーシングから出走したルイエンダイクはレースを2時間41分18秒404で完走し、レース平均速度185.981マイル(299.307km/h)の新記録を達成した。これは2013年にトニー・カナーンが187.433mph(301.644km/h)で優勝するまで、23年間更新されなかった。

ルイエンダイクはインディアナポリスでは好パフォーマンスを見せ続け、1993年、1997年、1999年にポールポジションを獲得し、リタイアしたレースのうちの3レースではトップを走行していた。1996年には予選のラップレコードとなる平均時速237.498マイル(時速382.216キロ)を記録した(ポールデイではなく、2日目の記録だったためポールポジションでは無かった)。1997年のインディ500にはトレッドウェイ・レーシングより出走し、チームメイトのスコット・グッドイヤーを下してポールポジションから勝利した。ルイエンダイクは、1992年、1993年、1998年のインターナショナル・レース・オブ・チャンピオンズ (IROC) にも選出された。ルイエンダイクは1999年シーズンをもって引退を表明したが、その後2001年と2002年のインディ500に出走した。

ルイエンダイクはデイトナ24時間レースセブリング12時間レースにも優勝経験がある。現役引退後はインディカー・シリーズスチュワードを務めると共に、2シーターカー[1]の運転も行なっている。2012年のインディ500には、アドバイザーとしてルーキーオリエンテーションに参加した。彼の息子、アリー・ルイエンダイクJr.もレーシングドライバーとなった。

オランダのザントフォールト・サーキットは、最終コーナーに、ルイエンダイクの名前を付けた。

レース成績

ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権

チーム シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 順位 pts
1978年 レーシングチーム・オランダ ローラ・T670 トヨタ・2T-G ZAN
6
NÜR
DNS
ÖST
6
ZOL
5
IMO
DNQ
NÜR
5
DIJ
DNQ
MNZ
DNQ
PER
Ret
MAG
6
KNU
5
KAR
9
DON
15
KAS
22
JAR
Ret
VLL
12
12位 9
1979年 アルゴ・JM3 VLL
16
ÖST
19
ZOL
13
MAG
2
DON
Ret
ZAN
26
PER
MNZ
16
KNU
9
KIN
Ret
JAR
7
KAS
Ret
6位 13
1980年 ラルト・RT1 NÜR ÖST ZOL
20
MAG ZAN
7
LAC MUG MNZ MIS KNU SIL JAR KAS ZOL NC 0

ヨーロッパ・フォーミュラ2選手権

チーム シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Pos. Pts
1979年 ボブ・ソールズベリー・レーシング シェブロン・B48 BMW・M12/7 SIL HOC THR NÜR VLL MUG PAU HOC ZAN
13
PER MIS DON NC 0

CARTでの成績

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 順位 ポイント
1984 ベッテンハウゼン
LBH

PHX1

INDY

MIL

POR

MEA

CLE

MIS1

ROA
8

POC

MDO

SAN

MIS2

PHX2

LS

LVG
32位 5
1985
LBG
Ret

INDY
7

MIL
17

POR
Ret

MEA
10

CLE
5

MCH

ROA
6

POC

MDO

SAN
Ret

MIS
15

LAG
Ret

PHO
Ret

MIA
7
    18位 33
1986
PHX
6

LBG
Ret

INDY
Ret

MIL
9

POR

MEA
Ret

CLE
Ret

TOR
6

MIS
Rer

POC
Ret

MDO
Ret

SAN

MIS
13

ROA
7

LAG
10

PHO
Ret

MIA
Ret
17位 29
1987 ヘメルガーン
LBG
14

PHX
3

INDY
Ret

MIL
4

POR
Ret

MEA
6

CLE
Ret

TOR
7

MIS
5

POC
4

ROA
4

MDO
11

NAZ
4

LAG
6

MIA
11
    7位 98
1988 ディック・サイモン・レーシング
PHX
9

LBH
10

INDY
10

MIL
Ret

POR
2

CLE
Ret

TOR
Ret

MEA
Ret

MIS
Ret

POC
Ret

MDO
Ret

ROA
Ret

NAZ
9

LS
Ret

MIA
Ret
14位 31
1989
PHX
Ret

LBH
7

INDY
Ret

MIL
Ret

DET
6

POR
3

CLE
9

MEA
7

TOR
Ret

MIS
6

POC
Ret

MDO
8

ROA
4

NAZ
13

LS
9
10位 75
1990 シアソン・レーシング
PHX
9

LBH
7

INDY
1

MIL
Ret

DET
5

POR
6

CLE
6

MEA
4

TOR
5

MIS
Ret

DEN
13

VAN
Ret

MDO
Ret

ROA
6

NAZ
Ret

LS
9
8位 90
1991 グラナテッリ・レーシングチーム
SRF
9

LBH
5

PHX
1

INDY
3

MIL
Ret

DET
3

POR
7

CLE
5

MEA
Ret

TOR
Ret

MIS
2

DEN
Ret

VAN
Ret

MDO
9

ROA
5

NAZ
1

LS
8
6位 134
1992 チップ・ガナッシ・レーシング
SRF

PHX

LBH

INDY
Ret

DET

POR

MIL

NHA

TOR

MIS
Ret

CLE

ROA

VAN

MDO

NAZ

LS
41位 0
1993
SRF
5

PHX
6

LBH
11

INDY
2

MIL
Ret

DET
Ret

POR
10

CLE
10

TOR
Ret

MIS
3

NHA
Ret

ROA
9

VAN
Ret

MDO
5

NAZ
8

LS
3
8位 90
1994 インディ・レージェンシー・レーシング
SRF
Ret

PHX
Ret

LBH
11

INDY
Ret

MIL
21

DET
19

POR
14

CLE
Ret

TOR
Ret

MIC
2

MDO
13

NHA
Ret

VAN
6

ROA
Ret

NAZ
Ret

LS
6
17位 34
1995 チーム・メナード
MIA

SRF

PHX
Ret

LBH

NAZ

INDY
7

MIL

DET

POR

ROA

TOR

CLE

MIC

MDO

NHA

VAN

LS
26位 6
1997 ターゲット・チップ・ガナッシ
MIA

SRF

LBH

NZR

RIO

STL

MIL

DET

POR

CLE

TOR

MIS

MDO

ROA

VAN

LS

FON
Ret
34位 0

インディカーでの成績

(key)(太字ポールポジション

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 順位 ポイント
1996 バード/トレッドウェイ WDW
Ret
PHX
1
INDY
Ret
7位 75
1996-1997 トレッドウェイ NWH
13
LSV
Ret
WDW
Ret
PHX
Ret
INDY
1
TXS
1
PPI
Ret
CHR
Ret
NH2
3
LV2
Ret
6位 223
1998 WDW
8
PHX
Ret
INDY
Ret
TXS
13
NWH
5
DOV
Ret
CHR
4
PPI
Ret
ATL
8
TX2
Ret
LSV
1
8位 227
1999 WDW PHX INDY
Ret
TXS PPI ATL DOV PP2 LSV TX2 41位 11
2001 PHX HMS ATL INDY
13
TXS PPI RIR KAN NSH KTY STL CHI TX2 41位 17
2002 PHX HMS CAL NZR INDY
14
TXS PPI RIR KAN NSH MIS
16
KTY STL CHI TX2 37位 30
2003 モー・ナン HMS PHX MOT INDY
Wth1
TXS PPIR RIR KAN NSH MIS STL KTY NZR CHI FON TX2 n/a 0
1 ルイエンダイクは第1エントリーとして記載され、プラクティスに参加した。プラクティス中にクラッシュしたため本選に参加できなくなり、彼に代わってアレックス・バロンがドライブした。
年数 チーム数 出走数 ポールポジション 勝利数 表彰台
(優勝を除く)
トップ10
(表彰台を除く)
インディ500
優勝
シーズンタイトル
6 1 28 4 4 1 4 1 (1997) 0

インディ500での成績

シャシー エンジン スタート フィニッシュ チーム
1985 ローラ コスワース 20位 7位 ベッテンハウゼン
1986 ローラ コスワース 19位 15位 ベッテンハウゼン
1987 マーチ コスワース 7位 18位 ヘメルガーン
1988 ローラ コスワース 6位 10位 サイモン
1989 ローラ コスワース 15位 21位 サイモン
1990 ローラ シボレー 3位 1位 シアソン
1991 ローラ シボレー 14位 3位 グラナテッリ
1992 ローラ フォード-コスワース 4位 15位 ガナッシ
1993 ローラ フォード-コスワース 1位 2位 ガナッシ
1994 ローラ イルモア 8位 18位 インディ・レージェンシー
1995 ローラ メナード-ビュイック 2位 7位 チーム・メナード
1996 レイナード フォード-コスワース 20位 16位 トレッドウェイ
1997 Gフォース コンプテック オールズモビル 1位 1位 トレッドウェイ
1998 Gフォース コンプテック オールズモビル 28位 20位 トレッドウェイ
1999 Gフォース コンプテック オールズモビル 1位 22位 トレッドウェイ
2001 Gフォース コンプテック オールズモビル 6位 13位 トレッドウェイ
2002 Gフォース シボレー 24位 14位 トレッドウェイ
2003 Gフォース トヨタ アレックス・バロンがドライブ モー・ナン

ル・マン24時間レース

チーム コ・ドライバー 車両 クラス 周回数 順位 クラス
順位
1989年 ニッサン・モータースポーツ ジェフ・ブラバム
チップ・ロビンソン
日産・R89C C1 250 DNF DNF
Source:[2]

セブリング12時間レース

チーム コ・ドライバー 使用車両 クラス 周回数 総合順位 クラス順位
1985年 デアトレイ・レーシング ジェリー・ブラスフィールド
ダリン・ブラスフィールド
マーチ・85G GTP 90 DNF DNF
1989年 エレクトラモーティブ エンジニアリング ジェフ・ブラバム
チップ・ロビンソン
日産・GTP ZX-T GTP 330 1位 1位
1992年 ニッサン・パフォーマンス・テクノロジー ボブ・エール
チップ・ロビンソン
日産・NPT-91A GTP 227 DNF DNF
ゲイリー・ブラバム
デレック・デイリー
ジェフ・ブラバム
GTP 355 2位 2位

脚注

  1. ^ インディカー・シリーズの決勝レース開始前のイベントで使われる、2人乗りの特別仕様車。後部座席には来賓が座る。
  2. ^ All Results of Arie Luyendyk”. racingsportscars.com. 2018年8月4日閲覧。

外部リンク

タイトル
先代
エマーソン・フィッティパルディ
インディ500優勝者
1990
次代
リック・メアーズ
先代
バディ・ラジアー
インディ500優勝者
1997
次代
エディ・チーバー
先代
ロベルト・ゲレーロ
CARTルーキー・オブ・ザ・イヤー
1985
次代
ドミニク・ドブソン
受賞
先代
デイビー・ハミルトン
スコット・ブレイトンアワード
2002
次代
バディ・ラジアー




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