アリス・ウォーカーによる再発見・再評価
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「ゾラ・ニール・ハーストン」の記事における「アリス・ウォーカーによる再発見・再評価」の解説
1973年の夏、同じ黒人女性作家のアリス・ウォーカーがこの墓を見つけるためにフォートピアスの「永遠の園」墓地を訪れた。ウォーカーはこのときの様子を彼女が編纂した『ゾラ・ニール・ハーストン読本』に次のように書いている。 「ゾラ!」、声を限りに叫んだ、「そこにいるの?」(葬儀屋の店員)ロザリーが「ここにいるとしても、返事なんか絶対にしてほしくないわね。返事をしたら、私、逃げますからね」と言う。 「ゾラ!」、もう一度呼んでみた、「わたしはここよ。あなた、ここにいるんでしょ?」 「ここにいるとしても、内緒にしておいてほしいわね」、ぶつくさ言うロザリー。 「ゾラ!」、私はゾラに文句を言いたくなった、「ここに一日中突っ立ってろって言うんじゃないでしょうね。蛇がこっちを睨んでいるし、蟻がうじゃうじゃいるし...。それだったら、もう一度か二度だけにするから、返事をしてよ ... ゾラ!」そのとき、くぼみに足を取られた。私は、縦1.8メートル、横1メートルほどの長方形の窪地に立っていた。 ウォーカーはここに墓石を建てた。墓石には「ゾラ・ニール・ハーストン 南部の天才 1901-1960 小説家、民俗学者、人類学者」と刻まれている。 1975年、ウォーカーはフェミニスト雑誌『ミズ(英語版)』に「ゾラ・ニール・ハーストンを捜して」と題する随筆を発表し、出版社にすでに30年にわたって絶版になっている著書の再版を求め、ハーストンの再評価を促した。1977年出版のロバート・ヘメンウェイ(英語版)著『ゾラ・ニール・ハーストン評伝』 がハーストンの伝記研究の先駆的かつ決定版となり、ハーストンの著書は次々と再版された。邦訳もほとんどが1990年代後半に出版された。
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