アメリカ同時多発テロ事件後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 09:34 UTC 版)
「スパイ小説」の記事における「アメリカ同時多発テロ事件後」の解説
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の余波と、それに続くテロ攻撃は、読者にもっと良く世界を知りたいという要求をかき立てた。小説は読者を楽しませるだけでなく、何かを学ぶレンズでもあった。一般読者は自国だけでなく世界の現実の情報活動に関心を向け、その結果としてスパイ・スリラーの需要が増した。 ル・カレとフォーサイスが新作をひっさげてスパイ小説に復帰し、編集者たちも積極的にスパイ小説を探し求めた。ヨーロッパでアメリカ合衆国で新しいスパイ小説家がデビューした。ニューヨーク・タイムスのベストセラー・リストがスリラーで占領されることも多かった。 2004年になって、初のプロ・スリラー作家たちの国際組織、国際スリラー作家協会 (ITW)が設立され、2006年6月に最初の国際会議「ThrillerFest」が開かれた。 若年層向けのスパイ・スリラー小説などが出現した。映画『エージェント・コーディ』(2003年)のようなばかばかしい10代向けスパイ・コメディから、アンソニー・ホロヴィッツ(Anthony Horowitz)の「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズのようなシリアスなもの、アリー・カーターの『スパイガール(I'd Tell You I Love You, But Then I'd Have to Kill You)』のような若い女性向け小説(チック・リット)と、その幅は広かった。イギリスの若手作家ベン・アルソップ(Ben Allsop)も『Sharp』(2005年)、『The Perfect Kill』(2007年)といったスパイ小説を書いた。ロバート・マカモア(Robert Muchamore)の、孤児が学校のようなところに送られ、大人の組織に潜入するための訓練を受ける『英国情報局秘密組織チェラブ』シリーズもスパイ小説のリストに加わった。
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