アボリジニによる利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 15:20 UTC 版)
「カンガルー肉」の記事における「アボリジニによる利用」の解説
カンガルー肉は、歴史的にはアボリジニと総称されるオーストラリア先住民の食糧となってきた。彼らの伝統的な食文化において、「ブッシュ・タッカー」(野生の食材)の一つとして重要な地位を占めている。 ノーザンテリトリー準州のアリススプリングスに住むアレント(en:Arrernte)族の人々は、カンガルーのことを「ケレ・アヘッレ(Kere aherre)」と呼び、次のように食用としてきたという。 カンガルーは、平原やアカシア(mulga)が生えているところで見つけられる。かつて、人々は、飼いならしたディンゴをけしかけ、槍を使ってカンガルーを仕留めていた。捕えた獲物は、腹を裂いてミルクの内臓(milk guts)が引き出され、切り口は木の焼串で閉じられる。そうしたら、焚き火にかざして表面の毛を焼いてから、地面に掘った穴に入れて熱い土と炭で覆い、蒸し焼きにする。尻尾と足は先に切り落としておき、一緒に焼く。 焼きあがったカンガルーは、皆で分けて食べる。胸腔と中殿筋から出た温かな血液と汁は一滴残らず集められ、飲み物になる。なお、こうして汁を飲んでも、特に害は無いことがわかっている。カンガルーの肉は、アレント族の特別な決まったやり方で切り分けられる。2本の太もも、2切れの尻肉、2切れの肋骨の脇の肉、腹、頭、尻尾、2本の足先、上下二分された背中の肉。
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