アペルトゥーラとクラウスーラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/14 08:14 UTC 版)

アペルトゥーラとクラウスーラ(スペイン語: Apertura [aperˈtuɾa] y Clausura [klawˈsuɾa])は、多くのラテンアメリカのサッカーリーグで用いられている2シーズン制におけるリーグ呼称のことである。前期をアペルトゥーラ("opening"・開幕)、後期をクラウスーラ("closing"・閉幕)と呼ぶ。
方式
アメリカ式の上半期開幕制(例 : 2月から11月にかけて、季節としては秋開幕・春閉幕)を採用し、暦年前半にアペルトゥーラ、後半にクラウスーラが行われるのがコロンビア、パラグアイ、ボリビア、ウルグアイなどである。ヨーロッパ式の下半期開幕制(例 : 8月から翌年5月にかけて、季節としては春開幕・秋閉幕)を採用し、暦年後半にアペルトゥーラ、翌年前半にクラウスーラが行われるのが メキシコ、ホンジュラス、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ニカラグアなどである。
多くの国ではアペルトゥーラとクラウスーラそれぞれで優勝クラブを決めているが、ウルグアイ、ペルーなどはシーズンごとの最上位クラブ(または上位の数クラブ)が優勝プレーオフを行って年間王者を決め、ステージごとの優勝クラブは定められない。(メキシコとコロンビアではスーパーカップのような位置づけでアペルトゥーラとクラウスーラの優勝クラブ同士が対戦する。)
なお、日本のJ1リーグにおいても、春秋制の1993-1995年、1997-2004年、2015-2016年、またその傘下にあるセミプロの日本フットボールリーグにおいても同様に2014-2018年でこの2シーズン制をアメリカ方式(春季に行うアペルトゥーラ相当が第1ステージ〈1993-1995年のJ1はサントリーシリーズ〉、秋季に行うクラウスーラ相当が第2ステージ〈同NICOSシリーズ〉)を採用し、双方のステージ1位クラブによる年間総合優勝決定戦で、優勝を決めていた。JFLではこれよりも前の1999年に3季制(1回ごとの総当たりに前・中・後期)、2000・2001年と2003-2011年にも2季制(同様に前・後期)を採用していたが、これは天皇杯全日本サッカー選手権大会のJFLシードチーム(前期の総当たりの結果により反映させる)を確定させるための便宜上のもので、こちらの優勝は1シーズン制で争った。
国による方式の違い
南半球では北半球と季節が逆になるが、下表では南北に関わらず、暦年前半に前期を行う場合を「春秋制」とする。
国 | リーグ | 優勝クラブ | カレンダー | シーズン |
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プリメーラ・ディビシオン | ステージごと (1991-92シーズンから) | 秋春制 (8月から翌年6月) | 1990-91シーズンから2013-14シーズンまで ※現在は1シーズン制 |
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カナダ・プレミアリーグ | 年間王者のみ | 春秋制 (4月から10月) | 2019年のみ ※現在は1シーズン制 |
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プレミアリーグ | ステージごと (2012-13シーズンから) | 秋春制 (8月から翌年5月) | 2012-13シーズンから |
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リーガ・デ・フットボル・プロフェシオナル | ステージごと (2003年から) | 秋春制 (8月から翌年5月) 春秋制(1月から12月) |
秋春制:2005-06シーズン、2011-12シーズンから2015-16シーズン 春秋制:1991年から2004年、2007年から2010年、2018年から |
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プリメーラ・ディビシオン | ステージごと | 秋春制 (7月から翌年6月) 春秋制 (1月から12月) |
秋春制:2013-14シーズンから2016-17シーズン 春秋制:2002年から2009年[1]、2011年から2012年 ※現在は春秋制の1シーズン制 |
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プリメーラA | ステージごと | 春秋制 (2月から12月) | 2002年から ※後期はフィナリサシオンと呼ばれる |
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プリメーラ・ディビシオン | ステージごと | 秋春制(8月から翌年5月) | 2007-08シーズンから |
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セリエA | ステージごと | 春秋制(2月から12月) | 2005年のみ ※現在は春秋制の1シーズン制 |
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プリメーラ・ディビシオン | ステージごと | 秋春制 (8月から翌年6月) | 1998-99シーズンから |
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リーガ・ナシオナル・デ・フットボル | ステージごと | 秋春制(7月から翌年5月) | 1999-2000シーズンから |
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Elite League | 年間王者のみ | 秋春制 (9月から翌年6月) | 2015-16シーズンから |
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リーグ・ハイチ | ステージごと (2002年から、2005-06シーズンを除く) | 春秋制 (4月から11月) | 2002年、2003年、2004-05シーズン、2007年以降[2] |
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リーガ・ナシオナル・デ・フットボル | ステージごと (1997-98シーズンから) | 秋春制 (8月から翌年5月) | 1997-98シーズンから |
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Jリーグ | 年間王者のみ | 春秋制 (3月から11月) | 1993年から1995年まで、1997年から2005年まで、2015年、2016年 |
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リーガMX | ステージごと | 秋春制 (7月から翌年5月) | 1996-97シーズンから |
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プリメーラ・ディビシオン | ステージごと(2017-18シーズンから) | 秋春制 | 2003-04シーズンから |
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リーガ・デ・フットボル | ステージごと (2007年から) | 秋春制 (7月から翌年5月) | 2001年から |
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プリメーラ・ディビシオン | ステージごと (2008年から) | 春秋制 (2月から12月) | 1996年から |
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プリメーラ・ディビシオン | 年間王者のみ | 春秋制 (2月から11月) | 1997年から2008年まで、2014年から |
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プリメーラ・ディビシオン | 年間王者のみ | 秋春制 (8月から翌年6月) 春秋制(2月から12月) |
秋春制:2005-06シーズンから2015-16シーズン 春秋制:1994年から2004年、2017年から |
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北米サッカーリーグ | 年間王者のみ | 春秋制 (4月から11月) | 2013年から2017年 |
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プリメーラ・ディビシオン | 年間王者のみ | 秋春制 (8月から翌年5月) 春秋制(1月から12月) |
秋春制:1996-97シーズンから2014-15シーズン 春秋制:2016年から2019年 |
脚注
アペルトゥーラとクラウスーラ(1990-2012)
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「プリメーラ・ディビシオン (アルゼンチン)」の記事における「アペルトゥーラとクラウスーラ(1990-2012)」の解説
1990-91シーズンには短期リーグ制が復活し、前期リーグ(7月頃-12月頃)をアペルトゥーラ、後期リーグ(1月頃-6月頃)をクラウスーラと呼ぶアペルトゥーラとクラウスーラ制が導入された。1990-91シーズン終了後には、アペルトゥーラ優勝のニューウェルズ・オールドボーイズとクラウスーラ優勝のボカ・ジュニアーズが優勝プレーオフを戦って総合優勝クラブを決定した。この大会方式変更は大きな議論を呼び、特にクラウスーラで無敗優勝を遂げたボカがニューウェルズ(クラウスーラ8位)に敗れてからは物議を醸した。1991-92シーズンのアペルトゥーラではリーベルが、クラウスーラではニューウェルズが優勝したが、優勝プレーオフは行なわれずに両者優勝となった。優勝プレーオフ制度は1990-91シーズンの1シーズン限りで廃止され、1シーズンに2つの優勝クラブが誕生することとなった。1990-91シーズンから1994-95シーズンまでは勝利勝ち点が2点だったが、1995-96シーズンからは勝利勝ち点が3点となった。現在の方式では地方クラブにも昇格の道が開かれているが、当時はまだブエノスアイレス市-ブエノスアイレス州-サンタフェ州地域のクラブが多数を占めていた。例えば、1990-91シーズンはブエノスアイレス市のクラブが7クラブ、ブエノスアイレス州のクラブが7クラブ、サンタフェ州のクラブが3クラブであり、その他の地域のクラブは計3クラブに過ぎなかった。
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