アクロスティックとは? わかりやすく解説

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アクロスティック【acrostic】

読み方:あくろすてぃっく

文章や詩の各行先頭または末尾文字をつなげると、ある語句になるという言葉遊び。→折句(おりく)


折句

(アクロスティック から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/02 05:26 UTC 版)

折句(おりく、 : acrostic)とは、ある一つの文章の中に、別の意味を持つ言葉を織り込む言葉遊びの一種。句頭を利用したものがほとんどである。

実際の折句

伊勢物語の東下りの段に登場する和歌に下記がある。

らころも
つつなれにし
ましあれば
るばるきぬる
びをしぞおもふ

頭文字に「かきつはた」(カキツバタ)と花の名が折り込まれている。

ほかに「をみえなし」「はゆひすい」「あめざいく」「すなけむり」「いまそかり」「ねこやなぎ」「ひつじさる」「あやめやあ」「とらめいし」「はるがすみ」「かすがなる」「はなふぶき」「たにこえる」「はひぬこま」「えめさつき」や、人名・地名などがある[1][2][信頼性要検証]

いろは歌は7文字ごとに区切って各節の末尾をつなぐと、「とかなくてしす」(咎無くて死す)となり、無実を訴える文になる。罪を起こすことなく一生を終えたい、の意味だとする説もある。

現代も谷川俊太郎の折句を用いた詩が知られる。

くびがでるわ

やけがさすわ
にたいくらい
んでたいくつ
ぬけなあなた
べってころべ

漢詩では蔵頭詩(真意を蔵した、つまり隠した詩の意味)と称された。1990年の『人民日報』海外版に「元宵」と題した春の訪れをうたった詩が掲載された。斜めに字を拾うと総理李鵬に対する批判が読み取れ、「元宵」事件となる。

英語圏でも折句は広く知られ、ポーは「アクロスティック」と題した詩を書いている。

Elizabeth it is in vain you say

"Love not" — thou sayest it in so sweet a way:
In vain those words from thee or L.E.L.
Zantippe's talents had enforced so well:
Ah! if that language from thy heart arise,
Breath it less gently forth — and veil thine eyes.
Endymion, recollect, when Luna tried
To cure his love — was cured of all beside —
His follie — pride — and passion — for he died.

回転折句

漢字の共有部を利用した回転折句も成立し得る。

例えば京都龍安寺手水鉢)に刻まれた、以下の四字熟語が挙げられる。

  五
矢 口 隹 - 左回りに「唯吾知足」(口を共有)
  止

沓冠(くつかぶり)

和歌で、5句それぞれの初めと終りとの1音ずつをつづけて折り返して読み(合わせて10音となる)、別の歌意をつたえようとする技巧的な折句である。

たとえば『栄華物語』にある村上天皇の「逢坂も はては往来の 関もゐず 尋ねて訪ひこ 来なば帰さじ」(ふさか てはいきき きもゐ つねてとひ なはかへさ)(逢坂の関の関守はいない、訪ねて来なさい、もし来てしまったなら帰さない)から、「あはせたきものすこし」(合薫物〈あわせたきもの〉を少し〈持って来るように〉)を読む。

『続草庵集』巻四の兼好法師の「夜も涼し 寝覚めの仮庵 手枕も 真袖も秋に 隔てなき風」(もすす さめのかり まくら そてもあき たてなきか)(この涼夜、仮につくった庵で寝覚めた手枕・袖に、隔てるものもなく秋風が吹く)から「よねたまへせにもほし」(米をくだされ、銭も欲しい)を読み、それに対する頓阿法師の返し「夜も憂し 寝たく我が背子 果ては来ず なほざりにだに しばし訪ひませ」(るもう たくわかせ てはこ ほさりにた はしとひま)(つらい夜だった、つれないあなたは来なかった、せめてかりそめにでもおいでください)から「よねはなしせにすこし」(米は無い、銭を少し)を読む。

脚注

関連項目


アクロスティック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:34 UTC 版)

「詩」の記事における「アクロスティック」の解説

詳細は「折句」を参照 アクロスティック(後期ギリシア語 akrostichon < akros「先頭」 + stichos「詩行」)、「折句」はアルファベットなどで書かれた詩やその他の書き物で、各行/段落/その他の反復構造の最初の文字/音節/単語を合わせると別のメッセージとなるものである。この窮屈な形式は、想起を簡単にするための記憶術として使われたものであるのかもしれない。有名なアクロスティックとして、ギリシア語での神を称える文句 Ιησούς Χριστός, Θεού Υιός, Σωτήρ「イエス・キリスト、神の子、救世主」がある。最初の文字を綴り合わせると ΙΧΘΥΣ となり、これはギリシア語で「魚」を意味した。よって、初期のキリスト教徒は頻繁に魚を用い、今日でもイエス・キリストのシンボルとなっている。 日本の折句としては「かきつばた」を折り込んだ伊勢物語の和歌「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」が高名である。今日では「縦読み」としても親しまれている。

※この「アクロスティック」の解説は、「詩」の解説の一部です。
「アクロスティック」を含む「詩」の記事については、「詩」の概要参照ください

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