アイヌ古戦場伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/16 06:40 UTC 版)
1800年頃(あるいはそれ以前)に北見アイヌ(一説には日高アイヌ。以下同じ)が宝物や美女を獲得すべく十勝アイヌのコタンを攻撃した。当初は劣勢に立たされていた十勝アイヌが神に祈りを捧げると状況は変わり、北見アイヌはチョマトに退避する。北見アイヌはそこで水鳥を捕獲して空腹を満たしていると、十勝アイヌに包囲されており、逃げ場を失った北見アイヌは沼に飛び込んだ。沼が赤く見えるのはその時の戦士達の血が多く流れたからだという。そのため『血で染まった沼チョマトー』とも云われ、漢字では「血妖魔沼」と表記し、「血妖魔沼戦没者慰霊碑」が建っている。 十勝地方に古くから伝わる伝説の中でも登場する史蹟が現存するのは数少なく、伝説の信憑性に疑義が唱えられてはいるが歴史的価値は高いと評価されている。 伝説の信憑性が疑われる理由の1つに、アイヌ民族の長老達は沼のことを「トウカムイ(神のいる沼)」と呼んでいるため、神聖な沼に戦士達が飛び込むとは考えにくいという。同地では古くからアイヌ民族による慰霊祭が行われていたが、一時期中断し1973年に42年ぶりに実施された。
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