アイデンティティと役割の混乱(青年期、12-18歳)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 07:25 UTC 版)
「エリク・H・エリクソン」の記事における「アイデンティティと役割の混乱(青年期、12-18歳)」の解説
存在しうる質問: 私は誰か? 誰でいられるか? ティーンエイジャーは、職業、性的役割、政治、文化、宗教によってアイデンティティを獲得しなければならない。 エリクソンはアイデンティティ危機(identity crisis)またはアイデンティティ拡散(Identity diffusion)という言葉を作り出したとされている:29。これまでの発達段階でもそれぞれの危機があったが、この用語は、幼児期から成人期への移行を指している「これまでも幼児期から少年期までの間に、多くのアイデンティティが形成されてきたが、青少年のアイデンティティーにおけるニーズはそれらでは満たされない」ために、この段階が必要となっている。ヒトの発達におけるこのターニングポイントは、「どういったヒトとして育ったか」と「社会から望まれているヒト」との和解であるとされる。 この新しい自己意識は、過去の経験をもとに、未来を見据えて鋳造しなおすことによって産まれる。8つの発達段階全体おいて、第5段階は交差ポイントとなっている。 青少年らは、「しばしば潜在的には敵対的なこの世界と接する中で、個人の境界線を再確立し、これを行う必要性に直面している」。これは特定のアイデンティティ役割が形成される前の状態のうちから、コミットメントするよう社会から求められる状態なので、それは大抵困難となりうる。 その状態は「アイデンティティ混乱(identity confusion)」とされるが、しかし社会は通常、青少年が「自分自身を見つける」ために猶予を与えるので、この状態を「モラトリアム(moratorium)」と呼ぶ(心理社会的モラトリアム)。
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