四十歳
★1.初老となった四十歳で、あらたに結婚し・出産して、人生の新段階をむかえる。
『一寸法師』(御伽草子) 津の国難波に翁と媼がいた。媼は40歳まで子がないことを悲しみ、住吉大明神に参詣して子授けを祈願した。大明神はこれをあわれみ、翌年、媼は41歳で懐妊し、10ヵ月後に一寸法師を産んだ。
『源氏物語』「若菜」上~下 光源氏は40歳の時に、兄朱雀院の懇望により、10代半ばの女三の宮をめとった。それから数年後に、光源氏の最愛の妻紫の上は重い病を得、幼な妻女三の宮は柏木と密会して子をもうける、などのことが起こった。
『蛤の草子』(御伽草子) 天竺の「しじら」という男は独身で、老母と暮らしていたが、40歳の時に、釣り上げた蛤から出現した17~18歳の美女と結婚する。しじらは、美女の織った織物を売って莫大な富を得る。また彼は、観音浄土を訪れ七徳保寿の酒を飲んで、7千年の長寿を得た。
『文正草子』(御伽草子) 文正は塩を売って長者になったが、子供がなかった。文正の妻は40歳になって鹿島明神に子を祈願し、蓮華2房を賜る夢を見た。妻は10ヵ月後に姉娘を、それから1年後に妹娘を生んだ。
★2.四十歳に達した人を殺す。
『枕草子』「蟻通し明神」の段 昔、帝が若い人ばかりを寵愛し、40歳以上の人を殺した。40歳をこえた人たちは皆、遠い他国へ逃れ、都のうちに老人はいなくなった〔*しかし、都に隠れ住む老人の知恵によって国難が解決できたので、帝は、40歳以上の人の居住を許可した〕。
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