より一般化された概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 05:06 UTC 版)
「社会 (生物)」の記事における「より一般化された概念」の解説
先にも述べたように、哺乳類の社会的と思われるものにも、その内容に多様性がある。集まって暮らすにせよ、その構造はさまざまで、一概には論じられない。他方、集まらずに暮らしている種について見ると、単独生活をおこなっているものでは、個体間に関係がないかというと、必ずしもそうでもない。実は互いに意識的に距離を置くことで成立する場合、例えば縄張りなどを持つものも多い。そうして見ると、個体間に関係を持って暮らすやり方として、集団を作らないやり方もあり得ることが分かる。そこで、これをも種の社会のあり方と見なす考え方もあり得る。そこまで拡張すれば、繁殖期以外は互いに無関係でいることも、その種の社会の特徴と見なすことも可能であろう。動物すべてに社会を認める考えは19世紀には提出されており、1877年にEspinasは「いかなる生物も単独で生活することはない」と述べ、原生動物から人間に至る社会を論じた。 このような見方に立てば、すべての生物は種ごとに社会を持っている。これを種社会と呼ぶこともある。それは具体的存在としては、その種の個体群であり、その構造は個体群を構成する個体間の関係に基づくものである。その関係のあり方によって、個体群内部の個体の分布様式にもそれが反映される。 もし、その種がサルのように先の意味での社会的集団を持つものに対して、この考え方を適用すれば、その種の社会を解明するには、集団内部の構造に加えて、集団間の関係やその間の個体の行き来のあり方までも、その種の社会構造として考えなければならないことがわかる。実際、そのような観点からも研究は進められる。[独自研究?]
※この「より一般化された概念」の解説は、「社会 (生物)」の解説の一部です。
「より一般化された概念」を含む「社会 (生物)」の記事については、「社会 (生物)」の概要を参照ください。
- より一般化された概念のページへのリンク