縁頭（ふちがしら）
拵の最先端部である頭は、鞘尻の鐺とともに拵の強度を高める目的から装着されたもので、金属製あるいは角製とされている。しかも刀を装う金具類で最も目立ち易いところから多くは縁金具と同作とされ、意匠もこらされ、これを持つ者の意思を示した図柄や家紋が取り入れられて製作された。
縁頭（ふちがしら）各部の名称
●打刀拵・脇差拵・短刀拵などの柄を固定する前後の金具の先端部にあり、前方からの衝撃に備える為の金具が頭で、これと意匠を同じくして製作される、柄と鐔の接触部に設けられる金具が縁である。古くは角製の頭を用いた例もあるが、江戸期に至って以降は金属製で緑と頭を一対としたものが多い。●頭は、板状の地板を打ち出して曲面を造り出す手法と、一体の地金を彫り崩して造る工法や、鋳造の例もあるが、主に前者の方法が用いられている。頭の側面には縦長の、柄糸を通して固定する為の小穴が開けられており、ここに鵐目金具を嵌め込み、この中に柄糸を通す。また、高彫された図像を絡繰の手法によって据文象嵌する場合には、地金を貫いて通した図像の根を、この裏側で打ち返して固着させる。●縁は板状の地金を打ち曲げて楕円形の筒を造り、この一方の開口部に、刀の茎の断面状に切り抜いた素銅等の板を嵌め込む。この板を天井板あるいは底板と称し、多くはその接合部分に補強の為の力金と称する梁板が付けられている。また、頭の内側にも、補強の為の力金が付けられる場合がある。多くの場合、底板の外面に銘文が刻される。縁の幅は楕円形の長手方向（刃方方向）をいい、腰とは縁の高さを指す。
- ふちがしらのページへのリンク
