びっくりハウス
びっくりハウス
びっくりハウス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/14 04:55 UTC 版)
びっくりハウスあるいはマジックハウス(Fun house、Mad House、Haunted Swing、Bug House)は、遊園地のアトラクションである。広義では錯覚を利用した不思議な仕掛けの室内体験型アトラクションの総称。狭義では部屋の内壁が回転することによる錯覚を楽しむ小部屋型アトラクション(マッド・ハウス)を指す。
   概要
凸面鏡や凹面鏡による視覚の変化を楽しむものや、傾いた床や家具による平衡感覚の狂いを楽しむものなど施設によって仕掛けが異なる[1]。
マッド・ハウス
日本では「回転部屋」のみを「びっくりハウス」あるいは「マジックハウス」と称することが多く、回転部屋がないびっくりハウスは別の名称がつけられる場合もある。西洋では回転部屋の正式名称は「ホーンテッド・スウィング」、通称「バグ・ハウス」であったが[2]、1990年代以降は「マッド・ハウス」の名で普及している。
客が家の中に入り、部屋の真ん中にある椅子(初期型はブランコ式、他にゆりかご式・ドラム式がある)に座ると、椅子が揺れると同時に部屋の床や壁や天井が縦に回転する。床と天井が上下逆さまになるため、無重力感や錯覚、混乱を起こす。何回か回転すると終了する[1]。実際の椅子の揺れは小さいが、搭乗後にめまいや吐き気が生じる者もある[3]。
1890年代初頭に「Illusion apparatus(イリュージョン装置)」としてアマリア・レイク(Amariah Lake)によって発明(1893年11月に特許取得[4])され、アトランティック・シティ・ボードウォークに最初に設置された[5]。また、1894年のカリフォルニア・ミッドウィンター国際博覧会にも「ホーンテッド・スウィング」の名で展示された[3]。
戦後の日本でも多くの遊園地やお祭り会場・海水浴場などに設置され、小学生未満の児童も楽しめる定番のアトラクションとして人気を博した。その後は老朽化や人気低迷などを理由に撤去した施設が多く[6][7]、新設されることは稀である。
浅草花やしきに現存する最古のアトラクションである[8]。※1949年に設置。ただし、外観は新装のため当時の面影はない。
かつての日本の主要製造メーカーは東洋娯楽機株式会社であった[9]。1990年代以降の海外製はオランダの老舗メーカーVekomaが主流である。
商標・特許
浅草花やしきを運営する株式会社花やしきが片仮名表記の「ビックリハウス」の商標を保有している[10]。
アマリア・レイクが保有していた特許は消滅している。また、宇宙空間を模したびっくりハウス(マッド・ハウス)の実用新案は東洋娯楽機株式会社が1979年に出願して1981年に認可されている[11]。※相続者は不明
びっくりハウスを題材とした作品
音楽
- こどものためのピアノ組曲より「びっくりハウス/楽しい遊園地」1983年、作曲:鵜月一秀[12]
 
ギャラリー
- 世界各地のマッド・ハウス
 -  
     
    VillaVolta
(オランダ) -  
     
    VillaVolta内装
 -  
     
    Merlin's Magic Castle
(オランダ) -  
     
    Feng Ju Palace
(ドイツ) -  
     
    Houdini's Magische Huis
(ベルギー) -  
     
    Hex - The Legend of the Towers
(イングランド) -  
     
    La Casa di Prezzemolo
(イタリア) -  
     
    Hotel Embrujado
(スペイン) 
脚注
- ^ a b デジタル大辞泉・日本大百科全書(コトバンク)
 - ^ The Bug HouseHunter IQ 2017年10月27日
 - ^ a b The Haunted Swing: something wicked this way rotates...Adam Matthew Digita 2015年10月28日
 - ^ US508227A - Illusion apparatus Google Patents
 - ^ Norman D. Anderson著「Ferris Wheels: An Illustrated History」
 - ^ 東武動物公園、遊園地の子供用施設を刷新 14年春新装オープン 日本経済新聞 2013年8月16日
 - ^ さよならスペースセブン・ビックリハウス池の平ファミリーランド 2017年
 - ^ 初見健一著「まだある。~遊園地編~: 今でもわくわく“懐かしの昭和”カタログ」11ページ
 - ^ ドリームランド 70年代登場施設横浜ドリームランドファンクラブ
 - ^ 登録2487525号(区分9・28)・登録3037467号(区分41)
 - ^ 実開昭56-061274
 - ^ JASRAC作品コード 044-9766-0
 
関連項目
- nl:Lijst van madhousen - オランダ語版マッド・ハウスの項目リスト
 - nl:Categorie:Madhouse - オランダ語版カテゴリ:マッド・ハウス
 
外部リンク
日本のマッド・ハウス
- ビックリハウス浅草花やしき
 - ビックリハウスだざいふ遊園地
 - ビックリハウス手取フィッシュランド
 - アトラクション詳細恵那峡ワンダーランド
 - ビックリハウスかねみレジャーランド
 - 遊園地東山公園協会(東山動植物園)
 - 遊園地の紹介フェニックス自然動物園
 - 遊戯施設姫路市立動物園
 - ドリームランド 70年代登場施設横浜ドリームランドファンクラブ
 
マッド・ハウスではない日本のびっくりハウス
- 直立不可能館マジックハウス東京サマーランド
 - 城川視覚体験館(びっくりハウス)西予市観光協会
 - マジックハウス姫路セントラルパーク
 - マジックハウスむさしの村
 - ビックリ・ふしぎ館「コスモパニック」よこはまコスモワールド
 
海外のマッド・ハウス
- Madhouse Guide欧州のマッド・ハウスガイドサイト
 - Mad HouseVekoma公式サイト
 - US508227A - Illusion apparatus Google Patents - アマリア・レイクが取得した特許資料
 - Expedition Alton Towers The History of Hex Legend Of The Towers( Expedition Alton Towers〜) - YouTube
 
「びっくりハウス」の例文・使い方・用例・文例
- びっくりハウスのページへのリンク
 
 