たて型壁面魚道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 16:05 UTC 版)
この魚道は河川構造物の壁表面に縦方向に設置されることから「たて型壁面魚道」と称される。この魚道のパーツは大きく3種類から成る。「右の折返し部」と「左の折返し部」及びそれらをつなぐ「樋部」である。螺旋式魚道が一定方向に旋回を繰り返すことで流れに加速が生じる報告がされているため「たて型壁面魚道」の折り返し部の旋回方向は「右旋回」と「左旋回」を交互に繰り返し、全体としてS字状の流れがブレーキをかけて加速現象を防ぐ構造となっている。この鋼製魚道のプール壁の形状は「棚田式魚道」の丸みのある自然石に挟まれた「スリット部」の形状や間隔が、アユをはじめとする水棲生物の通過に良好な成果が報告されているため、その形状を鋼製で模して製作してある。 設置方法についても、ダム本提及び側壁などの河川構造物の壁面に直接ボルトを使用して3種類のパーツ毎に単体で取り付ける工法を用いている。このため上部の魚道の重量が下部の魚道に荷重としてかからない構造であるため何層もの設置が可能となる。魚道を河川構造物の壁面に直接取付けるため、魚道用として河川構造物以外の用地が必要ない。また、建設費が安価で施工期間も大幅に短縮された施工例が報告されている。
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