じゅうたく‐きんゆうこうこ〔ヂユウタク‐〕【住宅金融公庫】
住宅金融公庫(じゅうたくきんゆうこうこ)
マイホームやマンションなどの住宅を購入するとき、消費者に有利な条件で融資を行い、居住水準の向上を目指している。住宅金融公庫法に基づき、1950年に設置された。
住宅金融公庫のローンを組むと、最長で35年の長期かつ固定の低金利で融資を受けられるため、借り手である消費者から見ると有利な条件となっている。購入する住宅の規模によって金利は異なるが、当初10年の金利と11年目以降の金利に差があるだけで、途中から金利が上昇することはない。
一方、民間の金融機関が行う住宅ローンでは、インフレーションなどの影響による市場金利の変動リスクを伴うため、長期・固定金利での融資は難しい。住宅金融公庫のローンに比べ、返済期間が短く、金利が高く設定されていたり、市場金利に連動させたりして、リスクの発生を避ける傾向がある。
国からの補助金などで損失を穴埋めできる住宅金融公庫は、そもそもリスクの回避を考える必要がないわけである。
住宅金融公庫が行う貸し付けは、年間で10兆円程度にも上っており、住宅ローン市場の4割を占めている。現在、およそ 550万戸が資金を借り入れ、その残高は総額で75兆円(2000年3月末)の規模だ。
そのため、民業を圧迫していることには変わりなく、「民間でやれることは民間に任せる」という小泉内閣の構造改革の方針に沿って、住宅金融公庫を廃止することが予定されている。競争原理による住宅ローン市場の活性化が期待されるが、不良債権処理で手いっぱいの金融機関がどれだけの条件を提示できるかは未知数だ。
(2001.11.27更新)
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