【J79】(じぇいななきゅう)
アメリカのジェネラルエレクトリック社で開発されたアフターバーナー付きターボジェットエンジン。
マッハ2級の高速運転を目標としながら、基本構造は単純だが癖のある単軸式タービンを採用し、それまでにない優れた推力重量比を実現した。
単軸式の弱点を補うべく、コンプレッサーのステーターを可動式にするなどの工夫が凝らされている。
F-104やF-4、B-58、A-5などに搭載されている。
また、アフターバーナーのない民間向けのCJ-805-3エンジンがコンベア880に搭載されているほか、コンベア990ではターボファン版であるCJ-805-23が搭載されている。
かつてタービンエンジンの先進国であったイギリスを凌駕した、初のエンジンといわれている。
そのためかイギリス軍がF-4(K/M型)を採用する際にはJ79を使用せず、自国のRR・スペイを搭載する大改造を施した。
仕様緒元
全長:5.3m
直径:1.0m
乾燥重量:1750kg
圧縮機:17段可動静翼付き軸流圧縮機
タービン入口温度:655°C
推力:52.9kN/79.3 kN(アフターバーナー使用時)
定格燃料流量:1.965 lb/(h·lbf) (200 kg/(h·kN))(アフターバーナー使用時)/0.85 lb/(h·lbf) (87 kg/(h·kN))(ミリタリー推力時)
全圧縮比:13.5:1
推力重量比:4.6:1(45.4 N/kg)
バリエーション
- XJ79-GE-1/YJ79-GE-1:試作型
- J79-GE-2/2A:量産型。F-4Aに搭載。
- J79-GE-3:YF-104、F-104A、F-11F-1Fに搭載。
- J79-GE3A:YF-104、F-104A、F-104Bに搭載。
- J79-GE-3B:F-104A、F-104Bに搭載。
- J79-GE-5A:B-58に搭載。
- J79-GE-7A:F-104C、F-104D、F-104Fに搭載。
- J79-OEL-7:カナダのオレンダエンジンでJ79-GE-7Aをライセンス生産したもの。CF-104に搭載。
- J79-GE-8/8A/8B:A-5、F-4Bに搭載。
- J79-GE-10:F-4Jに搭載。
- J79-GE-11A:F-104GやTF-104Gに搭載。
- J79-GE-15:F-4C、RF-4C、F-4Dに搭載。
- J79-GE-17:F-4Eに搭載。
- J79-GE-19:F-104Sに搭載。
- J79-IHI-11A:F-104J/DJに搭載。IHIでJ79-GE-11Aをライセンス生産したもの。
- J79-IHI-17A:F-4EJに搭載。IHIでJ79-GE-17をライセンス生産したもの。
- J79MTU-J1K:ヨーロッパでライセンス生産されたJ79-GE-11Aの改良型。MTU社で製造。
- J79-GE-J1E:J79のライセンス生産型。IAIクフィルに搭載。
- CJ-805-3:民間向け。コンベア880に搭載。
- CJ-805-23:民間向け。アフトファン形式のターボファン。コンベア990に搭載。
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