気管内挿管(きかんないざしかん)
心肺機能が停止した重度の傷病者に対する気道確保の方法のひとつ。救急車で搬送中の患者に対する気管内挿管については、救急救命士が実施することはできないとされている。
救急救命士は、救急車で搬送するけがや病気の人に対し、医師の指示に従って緊急に必要な措置を施すことを使命としている。しかし、心肺機能の停止した重度の傷病者に対する気管内挿管は、医師法などに抵触する医療行為とされ、医師の指示があったとしても救急救命士が行うことはできない。
というのも、気管にチューブを挿入する行為は、技術的に難しいと考えられているからだ。実際、気管内挿管を試みた救急救命士が、誤ってチューブを食道に入れてしまったという致命的なミスも報告されている。
その反面、迅速に酸素を送り込めて、確実性が高いと考えられていることも事実。救急救命士が組織的に気管内挿管を実施していた秋田県では、他の都道府県に比べて呼吸停止からの救命率が高いことも、それを物語っている。
厚生労働省は、救急救命士法の施行規則に基づく大臣告示を改正し、十分な訓練を積むことを前提にした上で、救急救命士にも気管内挿管を認める方針のようだ。
(2002.03.18更新)
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