がん免疫療法における役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 09:49 UTC 版)
「インターロイキン-21」の記事における「がん免疫療法における役割」の解説
IL-21はヒトのT細胞の分化プログラムを調節する役割が報告されており、IL-21はCD28+ CD127hi CD45RO+表現型かつIL-2産生能力を有する独特なセントラルメモリーT細胞を増加させることが示されている。IL-21の存在下でのプライミングによって生み出された腫瘍反応性の抗原特異的CTLは、安定な「ヘルパー非依存的」な表現型をもたらす。また、IL-21は持続的な腫瘍免疫を達成するため、CD8+細胞応答の継続的な増加を介して抗腫瘍効果を示すことが記載されている。 IL-21は転移性メラノーマ(MM)と腎細胞癌(RCC)の患者に対する第I相臨床試験が承認されている。投与の副作用としてインフルエンザ様症状がみられるが、安全であることが示されている。用量制限毒性としては、リンパ球、好中球、血小板数の低下や肝毒性がある。RECIST(英語版)(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)の奏効尺度によると、MM患者47人中2人、RCC患者19人中4人が、それぞれ完全奏効、部分奏効を示した。加えて、末梢のNK細胞やCD8+T細胞では、パーフォリン(英語版)、グランザイムB(英語版)、IFN-γ(英語版)、CXCR3のmRNAの増加が見られた。このことから、IL-21はCD8+エフェクター機能を増強し、抗腫瘍応答をもたらすことが示唆された。IL-21は第II相臨床試験に進み、単独またはソラフェニブやリツキシマブなどの薬剤との併用投与試験が行われている。
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