おもひびと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 03:00 UTC 版)
中古日本語以来の古語では「思人」が多くの点で同義である。但し、思いを寄せられている人を指す「思はれ人」や、思いを寄せさせている人を指す「思はせ人」という派生語がある点では「恋人」と異なる。これは文学(和歌、物語、日記、紀行など)を通して現代に伝わっている平安貴族(それを含む古代日本人)の精神性を反映した用法で、恋愛であれ呪いであれ、思いの強さが相手の心や夢や健康状態にまで影響を与えると信じられていた時代の、言葉のありようを示している。例えば『伊勢物語』の主人公(※在原業平と目される人物)は、東下りの際、京の都(平安京)に残してきた思人が自分の夢に現れなくなってしまったことに触れ「あの人に忘れられてしまったようだ」と嘆いている。その時に主人公が詠んだ歌については「宇津ノ谷峠#詠われた宇津山」の「するがなる~」を参照。
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