『酒を飲む王様』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 07:42 UTC 版)
「ヤーコブ・ヨルダーンス」の記事における「『酒を飲む王様』」の解説
ヨルダーンスは「酒を飲む王」をモチーフとした作品を複数描いており、そのうち1640年のバージョンがブリュッセルの王立美術館に所蔵されている。フランドルでは1月6日は公現祭で、ご馳走とワインを家族で分かち合って陽気に騒ぐ祝日になっている。晩餐のときには誰か一人が王に扮する慣わしで、この作品でヨルダーンスは最年長の人物に王の役を割り当てており、臣下の役割は王に扮した者自らが任命している。ヨルダーンスが描いた「酒を飲む王」の別ヴァージョンの絵画には、17名の人物肖像が肩を組んで騒いでいる作品や、画面最前面に多くの人物肖像が押し込まれるように描かれている作品などがあり、浮かれて馬鹿騒ぎをする人々の感情の高揚を描いた作品となっている。あまりに浮かれすぎて喧嘩寸前であったり、飲みすぎで嘔吐する男性など、ある意味惨めとも言える情景が描かれているようにも見える。ヨルダーンスはこの様な情景と画面最上部の「酔っ払い以上にひどい狂人は存在しない」という文言が刻まれた扁額を描くことによって、自分は酒飲みが嫌いだということを作品に表現している。
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