『幼児ユピテルを育てるアマルテイア』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 07:42 UTC 版)
「ヤーコブ・ヨルダーンス」の記事における「『幼児ユピテルを育てるアマルテイア』」の解説
『幼児ユピテルを育てるアマルテイア』の背景には風景画が描かれている。描かれている山羊はギリシア・ローマ神話で幼少のユピテル(ゼウス)を育てたといわれるアマルテイアであり、アマルテイアは山羊ともニンフといわれているが、この作品では山羊として描かれている。腰布をまとって敷物の上に座り込んでいる画面中央の裸婦はニンフのアンドレステアで、青白い肌で描かれたアンドレステアの裸体と暗い色調で描かれたその他の肖像とが対照的に描かれている。アンドレステアは片手をアマルテイアの背中にかけ、もう片手はアマルテイアの乳房から乳を搾り出して受け皿にためている。アンドレアの背後に描かれた空のボトルを握りしめた幼いゼウスはミルクを求めて泣いている。右に描かれているのは半獣のサテュロスで、泣くユピテルの気をそらそうとして木の枝であやしている。オランダ人版画家スヘルト・ア・ボルスヴェルト (en:Schelte a Bolswert) が後にこの絵画を版画に起こし、この作品が持つ寓話的な意味合いを明確にした。この版画にラテン語で書かれた説明書きによれば、幼いユピテルは山羊の乳を与えられて育てられたために、神話でよく知られているように不倫を繰り返す浮気な神になってしまったとされている。
※この「『幼児ユピテルを育てるアマルテイア』」の解説は、「ヤーコブ・ヨルダーンス」の解説の一部です。
「『幼児ユピテルを育てるアマルテイア』」を含む「ヤーコブ・ヨルダーンス」の記事については、「ヤーコブ・ヨルダーンス」の概要を参照ください。
- 『幼児ユピテルを育てるアマルテイア』のページへのリンク