『列女伝』と『女誡』
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「中国の女性史」の記事における「『列女伝』と『女誡』」の解説
紀元前1世紀に劉向が編纂した『列女伝』は、戦国時代の女性の説話を集めた伝記で、支配階級の女性を中心に書かれた中国最初の女性史ともいえる。男女ともに礼を実践し社会秩序を保つべきというテーマのもと、ヒロインとなる女性の聡明さは社会に対して恩恵をもたらすものとして描かれている。また、ここでは貞淑な女性の利点とそうでない女性の危険性が強調され、受動的でありながらも、男性(夫・父)の後見人として彼らの教育・行動を巧みにコントロールする存在として描かれている。 女性の学者である班昭は、学者・宮廷文人として『漢書』の補筆や詩作を行い、また女子教育書として『女誡』を執筆した。そこでは「女徳」(女性の持つべき徳)として、「女性は卑しくか弱げに振る舞うべきもの」「女性は人と是非を討論してはならない」「夫は天であり再婚は許されない」などど教え諭した。ほか、「大雀賦」は異国の献上物に対して皇帝が班昭に作らせた作品で、国家を代表して女性が献詩を作った珍しい例である。また、同じく女性の学者として著名だったのが蔡琰で、彼女は文学・音楽に対して深い造詣を有していた。
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