『レオノーレ』第1稿
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ブイイの原作は、役人だった頃トゥーレーヌで起こった事件を元に書かれた。これを基に作曲されたオペラの先行作品としては、1798年にピエール・ガヴォーによる『レオノール』、次いで1804年にドレスデンで初演されたフェルディナンド・パエールによる『レオノーラ』がある。これと前後して、ウィーンの主要歌劇場を手中に収めたブラウン男爵が腹心のゾンライトナーに原作をドイツ語に翻訳させ、ゾンライトナーを通じてベートーヴェンに作曲を依頼した。何度も書き直すなどの苦労もあったが、だいたい1年ぐらいで完成され、初演は1805年10月15日に内定した。 ところが、ナポレオン軍がウィーンに迫った(11月13日に占領)影響で、初演日は11月20日に繰り下げられた。ベートーヴェンは『レオノーレ』というタイトルでの上演を主張したが、前記2作との混同を避けるため、結局劇場側の推す『フィデリオ』のタイトルに決まり、アン・デア・ウィーン劇場でベートーヴェン自身の指揮により3日間上演された。しかし、何人かのベートーヴェンの友人と新聞記者を除けば、観客の大半がフランス軍兵士であり、ドイツ語を理解できる兵士がいなかったこともあり大失敗に終わっている。
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