フィデリオ序曲
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ベートーヴェンは『フィデリオ』に何度も推敲を重ね、そのため「フィデリオ序曲」(あるいは「レオノーレ序曲」)としては4曲が書かれている。 1つ目のものは『レオノーレ』第1稿の初演に使用された序曲であり、現在『レオノーレ』序曲第2番として知られているものだと考えられている。 2つ目のものが『レオノーレ』第2稿の初演に使用された序曲で、現在『レオノーレ』序曲第3番として知られている。この版は4つの序曲のうち現在もっともよく知られており、また同時に最も高く評価されている版でもある。しかし、この版はオペラへの序曲とするにはあまりにも音楽的な内容が濃密に過ぎ、実用的な軽い序曲への変更を要する結果となった。この序曲は現在では演奏会用序曲として、オーケストラのコンサートなどの前プロで演奏されることが多い。 ベートーヴェンは続いて、1807年のプラハでの上演に向けて再び序曲を書き直した。これが「レオノーレ序曲」の第3稿であり、現在『レオノーレ』序曲第1番として知られているものだと考えられている。 最後の版は、『フィデリオ』のために作曲されたもので、これが現在『フィデリオ』序曲として知られている曲である。調性上の理由や軽快な曲想から、4つのうち最もオペラの序曲に適している。『フィデリオ』序曲の編成は以下の通り。フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン2、ティンパニ、弦五部
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