『ファイナルファンタジーX』以前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:24 UTC 版)
「スピラ」の記事における「『ファイナルファンタジーX』以前」の解説
『ファイナルファンタジーX』以前のスピラは、全体的に文明の発達した世界であった。その中でも特に大きな2大都市としてザナルカンドとベベルが挙げられる。 当時最大の都市であったザナルカンドは、その技術力においても最高の水準を誇る都市であった。一方、それに対抗する存在として、高度な機械文明を持つベベルが存在する。この両都市は軍事面において大きな隔たりを持ち、軍事的にも機械を利用していたベベルとは対照的に、ザナルカンドは機械を戦争には用いず召喚術によって外敵を退けていた。資源を軍事方面に活用していたベベルにザナルカンドが勝てるはずもなく、後にナギ平原と呼ばれる地帯での戦闘ではザナルカンド軍の損害は90%であったといわれている。 その後、ベベルはザナルカンドへの直接攻撃を試みるが、ザナルカンドの統治者であった召喚士エボンは、ザナルカンドを永遠のものとするため、生き残っていたザナルカンド市民を総て祈り子に変えてガガゼト山の山中に隠し、彼らの見る夢を基に「夢のザナルカンド」を召喚する。また、重力魔法を用いて幻光虫を寄せ集めた巨大な鎧『シン』を作り出し、自らはその内部で「夢のザナルカンド」を永遠に召喚し続ける存在、エボン=ジュとなる。 『シン』は、無人となったザナルカンドやベベルを皮切りに、他の機械文明をも攻撃する。真相を知らないベベル市民は、ザナルカンド滅亡に怒り狂ったエボンが、ガガゼト山の祈り子達を使って『シン』を召喚したと噂した。 エボンによるザナルカンドの大破壊の前夜、ザナルカンドを離れていた1組の夫婦。夫の名はゼイオン、妻の方はエボンの娘ユウナレスカであった。彼女は、召喚士との間に強い絆を持つ者を祈り子とすることによって『シン』を打ち倒す力とする、後に「究極召喚」と呼ばれる技術を編み出した。ユウナレスカはゼイオンを祈り子としてこれを用い、『シン』を打ち倒したとされている。しかしエボン=ジュはこの時、究極召喚獣となったゼイオンを自分の新しい身体として取り込んだのであって、倒された訳ではなかった。一方、ユウナレスカもゼイオンが『シン』に取り込まれた結果、その衝撃に耐え切れず死亡したが、死人としてスピラにとどまり、この「究極召喚」を後の世に残す役割を担うこととなった。 エボン父娘を祭るエボン教がベベルにて発足し、『シン』の機械文明破壊によって機械放棄の風潮が広がるスピラを精神面で支配するようになる。しかし、機械戦争前後の史実や、「究極召喚」を用いても『シン』が完全に消えることはなく堂々巡りになるだけであるという事実は、スピラの人々の絶望を防ぐためとしてエボン教上層部により秘匿され、これにより世界は「死の螺旋」に囚われることとなった。
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