『スポーン』キャラクターを巡る訴訟
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「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」の記事における「『スポーン』キャラクターを巡る訴訟」の解説
詳細は「ニール・ゲイマン#訴訟」を参照 創刊とともに170万部を売る人気作となった『スポーン』だったが、作画と比してストーリー面での評価は高くなかった。作者マクファーレンはテコ入れとして人気原作者ニール・ゲイマンに10万ドルの高額な原作料を支払って第9号のゲストに迎えた。主人公の宿敵となるアンジェラなど、同号で作り出されたキャラクターはストーリーで重要な役割を占め、その後も派生シリーズや再刊本に登場し商品化や映像化もされた。しかし二人はそれらのキャラクターの著作権の所在を巡って衝突するようになった。コミックス・アライアンスはイメージ社でこの種の事件が起きたことを「皮肉」と評した。 2002年から2012年まで続いた係争の中で、マクファーレンはゲイマンとの契約が職務著作だったということを証明できなかった。そこでマクファーレンは、問題のキャラクターが著作権保護の対象外だという論法に訴えた。コミックキャラクターは作画家がデザインを行うまで表現物とならず、原作者ゲイマンの寄与はアイディア(著作権保護の対象外)の提供にとどまるという主張であった。判事はこれに反駁して、コミックのような集合著作物において原作者が共同著作者の一人となることを当然視した。さらに、問題のキャラクターが創作性のないストックキャラクターだという主張も反駁された。判決ではゲイマンが全面的に勝利し、関連する著作権の50%を獲得した。ゲイマンの設定を発展させてマクファーレンが作り出した派生キャラクターについても、二次的著作物としてのロイヤルティが発生しうるとされた。ゲイマンはこの判例によってコミックの著作権に関する法解釈が発展したと述べている。
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