『クルアーン』の記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 06:31 UTC 版)
『クルアーン』第27番目の章「蟻(アン・ナムル)」に「サバアの女王」の話が載せられている。前述の『タルグム・シェーニー』の記述と重なる部分が多い。スレイマーン(ソロモン)が精霊、人間、鳥類に大動員を掛けた際に、ヤツガシラが遅刻をしてきた。訳を問うとサバアという国に君臨する女王がアッラーを差し置いて太陽を崇拝していると報告してきた。それを聞いた王は、恭順の表敬訪問を命じる親書を送った。女王側が使者に贈り物を持たせて様子を見ようとしたがそれを追い返し、女王の玉座を自身の臣下に所望すると啓典の知識を持つ者が一瞬で持ってきた。王が訪れた女王に対して、装いを変えた玉座について聞いてみると「自身の物らしい」と答えた(スレイマーンはアッラーに帰依していないゆえに知恵が行き詰まり明言できないのだろうと解釈する)。女王は宮殿に招かれたが、水晶の床を水が張られていると勘違いして裾を捲くってしまう。王にその思い違いを正されると、自らの過ちを認めアッラーに帰依する、という内容である。 その後のイスラーム世界の文学や歴史書においてこの逸話は様々な発展を遂げるが、およそ共通している点は、女王の親はフドフード、あるいはフドハードという名で、母親はジン。女王の名はビルキースと呼ばれ、女王は母親のジンの影響で毛深いということがあげられる。
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