『クルマの味付け』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/04 08:16 UTC 版)
多様な自動車(=素材)の、それぞれの特性にあった『味』(=乗り味)を十分に引き出すのがテストドライバーという存在であるとしている。この『味』という概念について成瀬は、料理に喩えて客に「美味しい」「また食べたい(乗りたい)」と思ってもらえるようなものであり、その隠し味の正体は素人にはわからないのが理想であると説明している。車の味付けは1/1000Gの違いのようなプロにしか分からない些細なバランスによってできるもので、そのため「美味しすぎる料理」「欠点を潰しまくる」「いいとこ取り」など極端なことも戒めており、『味』を極めて繊細なバランスの上に成り立っていると考えていたことが伺える。また「クルマは料理と一緒で、素の状態が良くなければ本当の良さは出ない」とし、『味』以前の素材作り(=クルマを鍛えること)も重視した。 他にも料理の世界ではその店の最終的な味を決める総料理長がおり、多数決のような妥協した折衷案や素人の客の声に影響を受けない、きちんとした『トヨタの味』を決めることができる責任者(マイスター)が必要であるとした。
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