「連帯」事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 03:00 UTC 版)
1985年9月、ポーランドのトルン大学(ニコラス・コペルニクス大学)に所属する天文学者であるZygmunt Turlo、Leszek Zaleski、Piotr Lukaszewski、Jan Hanaszの4人がパソコンと送信機を用いた自作の放送機材を用いてトルンの国営テレビ放送を乗っ取る事件を起こした。その内容は「値上げ、嘘、弾圧はもうたくさんだ。トルン「連帯」 (Enough price increases, lies, and repressions. Solidarity Torun)」と「選挙のボイコットはわれわれの義務である (It is our duty to election boycott)」という二つの字幕であり、独立自主管理労働組合「連帯」のロゴとともに国営放送の内容に被さるように表示されるものであった。4人の学者の行動はのちに当局に発見され、「無免許の無線送信機の所持と公衆の不安を煽る行為」を罪状として拘束された。しかし当局は4人の天文学会での功績を考慮(実際には西側諸国からの批判をかわすためでもあった)し、4人に対しそれぞれ100ドル相当の罰金と執行猶予つきの判決を下すに留まった。しかし、ポーランドの一般的な月収が20ドルに満たない時代であった当時としてはこの判決でも大変な重刑であり、民衆のポーランド人民共和国に対する不満はのちのポーランド民主化運動によって結実していく事になる。
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