「新品」と「新品ではないもの」の線引き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:45 UTC 版)
「新品」の記事における「「新品」と「新品ではないもの」の線引き」の解説
「新品」というのは、まだ誰も使っていない品物である。焦点をあてられているのは「使われていないか / すでに誰かに使われたか」の区別である。「新」と言う文字が含まれてはいるが、実は、新しいか古いかはあまり関係ない。たとえば5年や10年前にメーカーから新発売された製品は(最近の若い人の感覚では、10年前の製品はかなり「古い」わけだが)それでも、販売店が全く開封しておらず、誰も使用していなければ(大辞泉の2番めの意味の)「新品」である。 新品ではないもの 一般論として言えば、すでに誰かに使用された物は中古品(法律用語では「古物」)と分類され、新品とはしっかり区別される。 ただし、厳密な定義、線引きは品物・製品のジャンルや業種によって異なる。 工業製品全般について 工業製品の場合、「新品」はまだ誰も使用していないものを指す。一般に、工場から出荷された時の梱包を開封しておらず、まだ誰も使用していないものを指す。 工業製品のメーカーは、輸送の際にキズ・汚れが付かないように梱包するなどして問屋や販売店や購入者に向けて出荷する。 「新品」と「中古品」の中間的な性質のものがあり、たとえば「販売はされたが、一度も使用されていない物」は業者では(新品ではなく)「新古品」と分類される。 販売店で展示品として使用されたが、まだ販売されていないものは、通常は「展示品」と分類され、基本的に、新品とはしっかり区別される。販売される場合は通常、正直に「展示品」と表示されて、それなりに値引きして販売されている。 動作状態を見せるために店内で電源を入れるなどして展示するものは「デモ品」などと分類され、「新品」とはしっかり区別される(電源などを入れた段階で、「使用」が始まっている。)。デモ品も新品ではないので、販売される場合は通常、正直に「店内デモに使用してした品です」などと表示され、それなりに値引きして販売されている。 家電製品の場合 個人売買の場合は、(工場から出荷されて)一度も開封されていない商品は「新品」として扱われる。 自動車の場合 自動車の場合も、(2番めの)定義通り、一度も使用されていない車が「新車」として販売される。たとえば、販売店が「試乗車」などとして使ってしまったら、もはや「新車」ではなくなる。たとえ座席のビニールシートをかぶせたままにしていても、「試乗車」として使ってしまっては「新車」ではなくなる。(販売店は試乗車として使った車のほうは通常、正直に「試乗車として使用した車です」などと表示し(それなりに値引きして)販売している。) 楽器の場合 楽器業界の場合は、かなり特殊であり、ギター、ヴァイオリンなど、天然の木材を材料にして製作するアコースティックな楽器はひとつひとつの個体の差(個体差)が大きいので、価格が中ランク以上のアコースティックな楽器は通常、皆が試奏をして、個体を選んでから、購入する個体を決める。たいていは、最低でも数分程度、人によっては10分ほど演奏して、自分の耳で個体の音をじっくり聴き、その個体を購入するかしないか、別の個体を選ぶか、判断する。したがって、ほとんどのアコースティックな楽器というのは、実際に購入する人が現れる前に、多くの人によって試奏された状態になっている。楽器業界では、こうして多くの人に試奏されたものも「新品」として販売するのが慣習である。購入する側も、中級者以上ならば、アコースティックな楽器というものはそういうものだということを良く知っており、納得している。試奏が禁止されてしまったら、自分も個体を選ぶことができなくなり、非常に困るからでもある。
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