「ヒュポスタシス」の用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 04:12 UTC 版)
「位格的結合」の記事における「「ヒュポスタシス」の用法」の解説
詳細は「ヒュポスタシス (哲学)」を参照 「ヒュポスタシス」は4世紀後半から5世紀にかけてのキリスト論の議論より以前からすでに専門用語として使われていた。キリスト教以前にギリシア哲学、中でも主にストア派がこの言葉を使っていた。「ヒュポスタシス」は新約聖書(特にHebrews 1:3)の中でも何度か使われており、それによって後の時代のこの語の専門用語としての理解がもたらされた。この語は語義的には「実体・本質」を意味するが、このことがかなりの混乱を引き起こした。例えば、アレクサンドリアのキュリロスはヒュポスタシスを(父や子、聖霊のような)個体、個別者の意味で使っているのに対して、キュリロスの論争相手だったキュロスのテオドレトスはヒュポスタシスを(神性や人性のような)ウーシア(本質)の意味で使っている。そのため今日ではこの語はしばしば「位格」と訳される。これは実際的・具体的な自立存在を指し、プラトンのイデアのような抽象的なカテゴリと対比される。 第1ニカイア公会議では父と子が同一本質であり、ともに不生不滅であると宣言された。この信条がニカイア信条と呼ばれている。
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