《見る》の丁寧語

実用日本語表現辞典

《見る》の丁寧語

見るの丁寧語表現

「見る」の丁寧語表現は、「見ます」「見せてください」です。「見ます」は自分自身が何かを「見る」事を、相手に伝える場合に用います。例えば「私は本を見ます」のように使用します。自分自身が主体となって「見る」という行動をするという意味合いを持った言葉です。「見ます」は丁寧語なので、目上の人に対して使用する言葉ではありません。「見せてください」は相手が持っているものなどを見せてもらう時に用いる表現です。例えば、「その本を見せてください」のように使用します。自分自身が「見る」事を、相手にお願いするという意味合いを持っています。

見るの丁寧語での誤用表現・注意事項

「見る」の丁寧語での誤用表現は、「拝見する」「見せていただく」「ご覧になる」「見られる」です。「拝見する」は謙譲語で、自分自身が目上の人から何かを見せてもらう際に用います。例えば「書類を拝見します」のように使用します。この時「拝見させていただきます」という表現は、二重敬語です。誤った使用方法なので、注意しておくようにしましょう。「見せていただく」も謙譲語で、目上の人から何かを見せてもらう時に使う表現です。この場合は通常の「見せる」という動詞に、謙譲語である「いただく」がついているので、二重敬語にはなりません。「ご覧になる」は尊敬語です。目上の相手に対して、何かを見てもらう時に用います。例えば、「お渡しした書類をご覧になってください」というように使用します。この時、「ご覧になられて下さい。」は二重敬語になるので、注意してください。「見られる」という表現は、「見受ける」「見て判断する」「見てとれる」という意味を持った尊敬語です。例えば「あそこにいるのは鳥のように見られます」のように用います。「見れる」は「ら抜き表現」となるため、「見られる」の誤用表現です。

見るの丁寧語での言い換え表現

「見る」の丁寧語での言い換え表現は、「目を通します」です。「目を通します」は、「見る」と同じ意味を持つ「目を通す」の丁寧語で、書類などを始めから最後までを通して見るという時に用います。主にざっと全体を見るという意味合いで使われる事が多いです。「お目通し」は「目を通す」の尊敬語で、ビジネスシーンなどで良く用いられる表現です。読み方は「おめどおし」で、「お願い致します」や「下さい」などと併せて用います。「お目通し」は相手に依頼する時に用いる表現で、自分に対して用いる表現ではありません。「お目通し」の言いかえ表現は「ご一読」です。「ご一読」も同じような意味を持ち、相手に依頼するときに用います。その他には「ご拝読」「ご査収」などが主な言いかえ表現です。

（2022年3月2日更新）