桜島
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桜島の名称
桜島は古代において「鹿児島」と呼ばれていたとの説があるが確証はない。1334年(建武元年)ごろの記録では「向島」と呼ばれており、「桜島」の名称が記録に現れるのは1476年(文明8年)以降である。その後しばらくの間、「向島」と「桜島」の名称が併存していたが、1698年(元禄11年)に薩摩藩の通達によって桜島の名称に統一された。「向島」の名称は、東西南北どの方向から眺めてもこちらを向いているように見えることに由来する[35]。
「桜島」の名称の由来については諸説ある。
- 島内に木花咲耶姫命を祀る五社大明神があり島を咲耶島と呼んでいたが、いつしか転訛して桜島となった(『麑藩名勝考』『三国名勝図会』)[73]。
- 10世紀中頃に大隅守を務めた桜島忠信の名に由来する(『麑藩名勝考』)[73]。
- 噴火により海面に一葉の桜の花が浮かんで桜島ができたという伝説に由来する(『麑藩名勝考』)[73]。
産業と生活
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全島が火山噴出物で構成されているため、生育に適する農作物は限られている。特産品として、かぶらを大きくしたような世界一大きい大根「桜島大根」と、世界一小さなみかん「桜島小みかん」、そしてビワが有名である[74]。
土産物として、桜島の溶岩を利用した焼肉プレートが販売されている[注釈 2]。また、小瓶に詰めた火山灰が売られている。
風によって火山灰が運ばれるため、近隣住民にとって風向きの情報は重要であり、1983年(昭和58年)9月1日から電話による天気予報(177)で桜島上空の風向きに関する情報提供が始まった[26]。その後、鹿児島県内のテレビ・ラジオ放送の天気予報においても、桜島上空の風向きの情報が流されるようになった。
鹿児島市では市街地を中心に、多くの学校のプールには降灰時にも使用できるよう、カーテン状の可動式の屋根が設置されている(好天時は屋根を開けて使用)。ただし、しばらくの間降灰が小康状態だったことと、老朽化したことにより、撤去された学校もある。プールの底に溜まった灰を除去するためのスイーパーもあった。プールの中に沈めると自動で動き、灰を除去した。また、校舎には降灰時でも舎内の換気ができるよう、廊下側の窓にフィルターが取り付けられており、教室内の換気扇には、室外側に、降灰の逆流を防止するカバーがついている。
大隅半島など降灰量の多い地域には、雨樋の無い家屋が散見される。灰が雨樋に詰まり、雨水を吸収して固まると用を成さなくなるため、初めから設置していない。
降灰時は霧の中のようになり、視界が数十メートルになる場合があり、自動車の場合ライトが必須になる。また、火山灰がフロントガラスに付着するが、ワイパーを作動させる速度を考慮しないと、ガラスに傷がつく場合がある。また、特に降雨時の降灰の際は早めに、場合によってはウィンドウォッシャー併用で動かさないと危険な場合がある[注釈 3]。墓にも灰よけの屋根がつけられたものがある。
一定以上の降灰が確認されると、役所から家庭に克灰袋(こくはいぶくろ)が配布される。家庭では降灰を克灰袋に入れ、降灰指定置き場に置くと、役所が回収する[75]。掃除などで集められた火山灰を廃棄する場合は、専用の袋に入れて指定場所に置かなければならない(下写真参照)。
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霧島市内の墓地(屋根を伴う)
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現在の克灰袋
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山積みにされた克灰袋
観光
桜島を訪れる観光客は年間200万人とされる。火口から3.5kmにある「湯之平展望所」が自家用車で登れる火口に最も近い展望スポットである。かつては「湯之平展望所」から更に山頂方面に登った「引之平展望所」(火口から2kmの距離、標高563m)まで観光道路で登ることができた。しかし昭和35年に大きな噴石が飛来するようになり危険が増したために「引之平展望所」への車道が閉鎖され、現在は徒歩でのみ「引之平展望台」に行くことが出来る(火山警報にもよる)。「引之平展望所」から先は常時立ち入り禁止(南岳から半径2km)であるが引之平山頂には登山することは可能である。その他の観光スポットとしては溶岩原を望む「有村溶岩展望所」や「黒神ビュースポット」が知られる。また島内の野尻町には火山活動に関する資料を集めた「桜島国際火山砂防センター」が開設されている。
鹿児島湾を挟んで北東対岸の霧島市福山町には「惣陣が丘展望所」(標高483m)がある。冬季に夕日が桜島の稜線に沈む瞬間が、宝石にたとえて「ダイヤモンド桜島」と呼ばれている[76]。
注釈
出典
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桜島(さくらじま)… 日本の火山、地名、鉄道(路線・駅・列車名)、施設名などで使用。
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