曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/23 19:25 UTC 版)
代数曲線
代数曲線は代数幾何学で扱われる曲線である。平面代数曲線は、各座標 x, y が適当な体 F 上の二変数多項式 f を用いて f(x, y) = 0 を満たすような点全体の成す軌跡を言う。通例、代数幾何学においては F に座標をとる点だけを見るのではなく、適当な代数閉体 K に座標をとる点すべてを考える。曲線 C が F-係数多項式 f によって定義されているとき、曲線 C は F 上定義されていると言う。曲線 C の点は、その各座標がすべて一つの体 G に属しているとき、G 上の有理点あるいは短く G-有理点と呼ぶ。C の G-有理点全体の成す集合は C(G) と書かれる。G が有理数全体の成す体であるときは、単に「有理点」と呼ぶ。例えば、フェルマーの最終定理を「n > 2 に対して、次数 2 のフェルマー曲線の任意の有理点は必ず何れかの座標が零に等しい」と言い換えることができる。
代数曲線に対しても空間曲線や高次元空間内の曲線を考えることができる。それは一次元の代数多様体として定義されるものである。n-次元空間内の代数曲線は、少なくとも n − 1 本の n-変数多項式の共通零点として得られる。n − 1 本の多項式が n-次元空間内の曲線を定義するに十分であるとき、その曲線は完全交叉であると言う。(消去理論の任意の道具を使って)変数を消去することにより、代数曲線は平面代数曲線の上に射影することができるけれども、その際に尖点や二重点などの特異点が生じる可能性がある。
平面代数曲線は射影平面内の曲線として計算することもできる。曲線が全次数 d の多項式 f で定義されているとき、wd⋅f(u/w, v/w) は斉次次数 d の斉次多項式 g(u, v, w) に簡略化できる。g(u, v, w) = 0 を満たす u, v, w の値はもとの曲線を完備化した射影曲線上の曲線上の点の斉次座標を与えており、特にもともとの曲線上の点は w が非零であるような点として表される。例えばフェルマー曲線 un + vn = wn はそのアフィン形が xn + yn = 1 で与えられる。この斉次化の過程はより高次元の空間内の曲線に対しても同様に定義できる。
代数曲線の重要な例として、円錐曲線は次数 2, 種数 0 の非特異曲線であり、楕円曲線は数論で扱われ暗号理論に重要な応用を持つ種数 1 の非特異曲線である。標数 0 の体における代数曲線はほとんどすべての場合に複素数上で考えるから、代数幾何学における代数曲線は実曲面と見ることもできる。特に、非特異な複素射影代数曲線はリーマン面と呼ばれる。
曲線と同じ種類の言葉
「曲線」に関係したコラム
FXでグランビルの法則を使用してエントリーポイントを見つけるには
グランビルの法則は、アメリカ合衆国のジョセフ・グランビル(Joseph Granville)が創り出した投資手法で、FX(外国為替証拠金取引)や株式売買などで用いられています。グランビルの法則で用いら...
-
株式の投資基準とされるPERとは、株価収益率のことです。PERは、次の計算式で求めることができます。PER=株価÷EPSEPSは、1株当たりの利益額のことで、「当期純利益÷発行済み株式数」で計算されま...
-
株式の投資基準とされるEPSとは、1株あたりの利益額のことです。EPSは、次の計算式で求めることができます。EPS=当期純利益÷発行済み株式数例えば、当期純利益が100億円で発行済み株式数が1億株の企...
- >> 「曲線」を含む用語の索引
- 曲線のページへのリンク