リッカルド・ムーティ リッカルド・ムーティの概要

リッカルド・ムーティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 16:34 UTC 版)

リッカルド・ムーティ
Riccardo Muti
リッカルド・ムーティ
基本情報
生誕 (1941-07-28) 1941年7月28日(82歳)
出身地 イタリア王国ナポリ
学歴 ミラノ音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 指揮者
担当楽器 指揮
活動期間 1965年頃 -
レーベル EMIソニー・クラシカルPhilipsDG

人物・来歴

1941年生まれ。

1967年に、若手指揮者のためのグィード・カンテッリ賞を受賞。1972年からフィルハーモニア管弦楽団を定期的に指揮し、オットー・クレンペラー以来の首席指揮者に任命される。1980年から1992年までフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督に就任し、しばしば同楽団を率いて世界的な演奏旅行を行った。フィラデルフィア管と制作したレスピーギ作品やロシア作品(ストラヴィンスキーチャイコフスキースクリャービン)、ブラームス交響曲の録音は、現在でも評価が高い[要出典]

1986年から2005年までミラノ・スカラ座の芸術監督を務める。1987年ミラノ・スカラ座管弦楽団の首席指揮者に任命され、1988年には同楽団とともにヴィオッティ・ドーロ賞(Viotti d'Oro)を獲得。同楽団を率いてイタリア国内から欧州各地まで演奏活動を続けた。スカラ座辞任後は特定の監督ポストには就任せず、客演指揮者として活躍。

2010年5月、シカゴ交響楽団音楽監督に就任。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団にも定期的に客演している。1971年以来ザルツブルク音楽祭にも定期的に参加し、オペラや演奏会を指揮しているが、とりわけ同地ではモーツァルトの歌劇の指揮で有名である。スカラ座のほかにも、フィラデルフィアロンドンミュンヘンウィーン、ラヴェンナ音楽祭などでオペラ公演を指揮してきた。

交友は、小澤征爾ダニエル・バレンボイムズービン・メータマウリツィオ・ポリーニ、バルバラ・フリットリ、レナート・ブルゾン等が並ぶ。カルロス・クライバーの数少ない親友でもあった。

レパートリー

母国イタリアの作曲家を幅広く取り上げ、秘曲も多く紹介し録音も頻繁に行っている(EMI,SONY)。その他一般的なレパートリーは手中に収め、特にフィルハーモニア時代やフィラデルフィア時代に膨大な録音を残した。近年はウィーン・フィルとシューベルト、モーツァルトを頻繁に取り上げては録音をしている。2008年~はハイドン・イヤー企画でハイドンの交響曲も録音している(DG)。近年は専属録音契約を結んでいないが、ドイツ・グラモフォンEMIからのリリースをしている。今までに全集を残したものとしては、ベートーヴェン交響曲(EMI,MUSICOM)、ブラームス交響曲(Philips)、シューマン交響曲(EMI,Philips)、シューベルト交響曲(EMI)、チャイコフスキー交響曲(EMI)、スクリャービン交響曲(EMI)などがある。ヴェルディのオペラのほとんどはEMIとSONYへ録音している。

ミラノ・スカラ座では、比較的無名の古典派のオペラ、例えばケルビーニの歌劇《ロドイスカ》や、スポンティーニの歌劇《ヴェスタの巫女 La Vestale 》を上演、その一方でスカラ座管弦楽団を指揮して、こんにち無名の20世紀イタリア人の新古典主義者(フェルッチョ・ブゾーニアルフレード・カゼッラニーノ・ロータ)の作品を録音した。

ヴェルディプッチーニの有名作品についても、伝統的に行われてきた改変(アリアのクライマックスでの高音の挿入、冗長と考えられる部分のカット等)に対して批判的であり、「演奏は常に作曲者によって書かれたまま(come scritto)でなされなければならない」との強い信念をもち、自筆譜の綿密な研究を通じてそれを実行してきた。特にSONYへ録音した一連の録音では、打楽器など細部まで原典版を徹底して用い、数少ない演奏例としても貴重な存在になっている[要出典]

ピアノの腕前にも優れ、僅少ではあるが録音を行っているほか、リサイタルの伴奏を行うこともある。「椿姫」上演の際にオーケストラのストライキが発生すると、一人でピアノを弾いてまで強行上演させたという逸話もある。


  1. ^ a b c d e f ノーマン・レブレヒト『巨匠神話』河津一哉、横佩道彦・訳、文藝春秋、1996年
  2. ^ The Philadelphia Inquirer紙(米)、Il Tempo紙(伊)
  3. ^ "Dumbing down row at La Scala" the Guardian紙(英)2003年9月16日付記事。
  4. ^ Il Messaggero誌2009年3月20日号






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