リッカルド・ムーティ ニューヨーク・フィルとの関係

リッカルド・ムーティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 16:34 UTC 版)

ニューヨーク・フィルとの関係

ニューヨーク・フィルはマゼールを音楽監督に迎えてから、同じくムーティの登場回数を大幅に増やしてゆく。マゼールは当初から契約更新をしないと明言しており、当初はムーティを後任として推挙していた(断念後はバレンボイムを推挙した)。それを受けてフィルハーモニックはムーティに就任を再三打診するも、固辞される。代わりにムーティは定期的な客演を約束し、2009-2010年はツアーを組むなど首席客演待遇で進める事が合意された。しかしムーティは2008年に、ニューヨークのライバルであるシカゴ交響楽団への就任を表明する。これによりフィルハーモニックのザリン・メータ総裁は失望の意を示し、今後の関係断絶をほのめかした。後に和解を果たし、2009年のツアーは予定通り実施されることになった。

クラウディオ・アバドとの関係

クラウディオ・アバドとの犬猿の仲は有名であり、お互い名前で呼ばないほど疎遠であった。殊にムーティはアバドのことを「(スカラ座の)前任者」と呼んでいた時期もあった。盟友のピアニスト・ポリーニ、バレンボイムや弟子のダニエル・ハーディングらがよく二人の間に立って和解を目指した。イタリア時代からお互い良きライバルであった反面、ポスト・カラヤンとして争い完全に決裂してしまう。アバドはベルリン・フィルを襲い自らの目指すカラーに染め上げた[要出典]反面、ムーティはウィーン・フィルの事実上の常任指揮者待遇になる[要出典]。双方がポストをもたない間に、アバドよりムーティへ協力要請があり、ルツェルン音楽祭への出演・協力に至る。また雑誌を通じてお互い尊敬しあっていることを打ち出すなど、雪解けへ向けて一気に加速が進む。アバドがパイオニアとして乗り込んだ地域(オーケストラ)の後任としてムーティが乗り込み、成功を収める例が多く、その他でも何かと因縁で切っても切れない様相を呈す(スカラ座・ウィーン・ベルリン・ロンドン・シカゴ・ニューヨークなど)[1]

日本との関係

1975年にカール・ベームに同行してのウィーン ・フィルとの初来日以来、たびたび来日している。 長年にわたる日本とイタリア間の文化交流と相互理解の促進・貢献が評価され、平成28年春の叙勲・褒章において、旭日重光章を受章。2018年には第30回高松宮殿下記念世界文化賞[音楽部門]を受賞している。 2019年より東京・春・音楽祭で「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」を開催。同アカデミーは、2015年にイタリアのラヴェンナで立ち上げられたプロジェクト。ムーティ自身がこれまでの経験、教師たちや過去の偉大な演奏者たちから受けた教えを、才能ある世界中の若手音楽家に伝え、オペラ制作に至る複雑なすべての過程についても理解を深めることを目的に、毎年夏にラヴェンナで開催されているもの。日本では3年に亘って《リゴレット》(2019)、《マクベス》(2020)、《仮面舞踏会》(2021)を取り上げる予定だったが、《マクベス》は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年に延期となった。

2022年12月、日本経済新聞の「私の履歴書」に、1ヶ月、ムーティの記事が連載された。


  1. ^ a b c d e f ノーマン・レブレヒト『巨匠神話』河津一哉、横佩道彦・訳、文藝春秋、1996年
  2. ^ The Philadelphia Inquirer紙(米)、Il Tempo紙(伊)
  3. ^ "Dumbing down row at La Scala" the Guardian紙(英)2003年9月16日付記事。
  4. ^ Il Messaggero誌2009年3月20日号






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