エフエム富士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/25 19:07 UTC 版)
概要
1988年(昭和63年)7月頃より試験電波を発信。同年8月8日8時8分にJFN加盟局としてFMでは全国26番目に開局した(開局日時は漢数字の「八」が富士山の形状に似ていることから)。山梨県のラジオ局であるが、県東部の三ツ峠中継局の電波が関東地方の広範囲(東京都多摩地域・東京都区部、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の各一部)にスピルオーバーで届く[2]ため、東京都のFM局及び関東の独立局との差別化を意識した編成となっている。
テレビ山梨(UTY)主導で開設された。東京放送(TBS[注釈 2])出身でUTYの専務をしていた辰繁存(たつしげすすむ)が初代社長に就任。金丸信の長男でUTY相談役の金丸康信が取締役を務めている。
当初は一日あたり21時間から23時間放送で6:00 - 24:00は自社制作中心(一部JFNのネット番組)、早朝深夜はJFNのネット番組を中心に編成された。次第に自主編成志向が強まり、1993年(平成5年)4月から独立放送局に移行した[3]。
同じ年にサテライトスタジオ「STUDIO ViViD」(東京支社)を東京・代々木にオープンさせたほか、ルミネ新宿にあったタワーレコード新宿ルミネ店内および小田急新宿ミロード館内にもスタジオを設けていた時期があった。このほか、まれに富士急ハイランド(富士吉田市)内に放送設備を設けて放送を行うことがある。
当初の愛称はFM富士であったが、1992年(平成4年)に独立局化後はFM-FUJI(ハイフンが入る)、2018年(平成30年)の開局30周年にはロゴマークの制定 とともに、現行のFM FUJI (ハイフンなし)に移行した。
2006年(平成18年)6月26日、開局以来使用してきた甲府市丸の内の旧社屋から石和温泉に近い甲府市川田町アリア(アリア・ディ・フィレンツェ)に新社屋を建設し移転し、同年7月3日から新社屋での放送を開始したが、これを記念して、7月11、12、16日にゲストを迎えての公開生放送が行われた(通常は「STUDIO ViViD」から放送されている番組を、甲府本社からの公開生放送で放送。ゲストは、嵐(櫻井翔)、GLAY、EXILE、w-inds.)。なお、新社屋は音声卓からステレオ変調器までフルデジタルとなっており、デジタルラジオの放送にも対応している。
2009年(平成21年)4月1日から2010年(平成22年)9月30日まで、東京・西麻布にNISHIAZABU-STUDIO[注釈 3]を設けて非公開生放送形式の番組を放送していたが、改編に伴い閉鎖されて、同年10月以降からは代々木STUDIO ViViDへ移動する形となった。
2016年(平成28年)5月9日12時より「radiko」でラジオ放送のインターネット配信を開始(エリアフリーの「radiko.jpプレミアム」にも対応)[4]。
2018年(平成30年)4月にコーポレート・ロゴを現行のデザインに変更した[5]。
2021年(令和3年)4月に大幅な改編を行い生ワイド番組が刷新。また、フィラー番組が早朝・深夜だけでなく新しく月曜 - 木曜 12:00 - 13:00と日曜 7:00 - 8:30、10:30 - 11:54、13:00 - 15:53にも『music terminal』を開始。早朝の『ON THE WIND』も5時台だけでなく6時台にも拡大した。
2021年(令和3年)9月14日、国際連合がSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みを推進するため世界の報道機関に協力をに呼びかける「SDG メディアコンパクト」に加盟した[6][7]。
2023年(令和5年)には、2021年(令和3年)に設けられた平日と日曜のフィラー番組の放送時間を削減し30分から1時間の番組を開始した。
主な受賞歴に『ロヂウラベース』で2021年日本民間放送連盟賞ラジオエンターテイメント部門優秀賞を受賞した[8][9]。同時に同部門で最優秀賞[注釈 4]に次ぐ得点になったことからラジオグランプリ候補番組になった。同局が番組部門で受賞するのは、初めてだった。なお、CM部門では、2014年(平成26年)日本民間放送連盟賞の第2種(21秒以上)で自社媒体PRスポット「大切な声」で優秀賞を受賞したことがある[10]。
異例の高出力
NHK甲府FMの三つ峠中継局(100W)の電波が低出力ながら送信アンテナの高度(標高1700m超)の関係で関東平野まで飛び、東京都区部でも良好に受信出来ていたことから、東京圏進出を狙って三つ峠中継局をNHKの5倍の空中線電力500Wで申請するも郵政省から「必要以上の出力」として却下されたため、6割に削減した300Wに落ち着いた。それでも同じ三つ峠のFM放送の中で最も高出力となっており、「山梨県のFM局」では本来ありえない広範囲からのリスナー獲得とそれに伴う高収益を生み出す源泉となっている。
開局までの短い間に「JFN加盟案」と「独立局案」との間で二転三転し、結局はJFN加盟で開局する。関東地方でエリアが重複する既存JFN局のエフエム東京とは異なる編成を目指して自主制作番組をメインにした上で深夜などはJFNのBラインの供給を受けていた。
さらなる差別化のため、1993年(平成5年)にJFNを自主脱退を表明し独立局となって現在に至る[注釈 5]。
このように、JFNから独立局へ鞍替えしたFM局としては唯一の例である(その逆はエフエム大分と兵庫エフエムラジオ放送[注釈 6]とInterFM897がある)。
事業所
- 本社
- 東京支社
注釈
- ^ 同局プロデューサーの中島正史によると、ハイフンの無い表記が正しいとされている。[1]
- ^ 現在の東京放送ホールディングス。
- ^ スタジオの所在地は西麻布の表記のみで、住所の詳細は明らかになっていない。
- ^ 同部門の最優秀賞は、ニッポン放送の『サンドウィッチマンのオールナイトニッポン』だった。(日本民間放送連盟ホームページ「2021年日本民間放送連盟賞 各部門の審査結果およびグランプリ候補番組について」より、2021年9月19日閲覧。)
- ^ 同年3月31日をもってJFN全番組のネットから撤退したものの、同年4月22日のライブ特番「WE LOVE MUSIC,WE LOVE THE EARTH」はネットした。
- ^ 後にKiss-FM KOBEに社名変更するも、2010年に兵庫エフエム放送に事業譲渡している。
- ^ エフエム富士公式サイトFAQ内で混信を取り扱っている[11]。
- ^ 2011年1月26日より2019年9月30日まで、auスマートフォン・携帯電話向けの民放FM52局ストリーミング配信サービス「LISMO WAVE」でも全国配信をしていた。また、auスマートパス・auスマートパスプレミアム会員向けに2019年9月5日より開始した代替サービスの「radiko for au」でもエリアフリー聴取が可能だったが、2022年6月30日をもって終了した。[12]
- ^ エフエム富士 非常勤取締役
- ^ 番組自体は継続中。
- ^ a b 『FIELD OF EP』『BRAIN TRIP NIGHT』の2番組はインターネットラジオ [16]としても放送されていたが、両番組終了に伴い、2008年10月31日をもってサービスを終了した。
- ^ スタジオAとスタジオBはサテライト仕様になっているので観覧可能時は本社前の外から観覧が出来る。
- ^ 生放送のゲストコーナー等の事前収録や収録番組の場合はSTUDIO ViViD以外に都内某所のスタジオを使用する場合がある。
- ^ 免許上、三ッ峠局に演奏所があることになっていため。
- ^ 通話料が必要だった。
- ^ 2023年12月現在、イエローハットは平日17時台のスポンサーであるが、この時間は全国FM放送協議会(JFN)加盟の放送局でもイエローハットの時報CMが放送されている。
出典
- ^ @nakajimamasashi (2020年1月11日). ""FM FUJIの表記ハイフンなしになりました!"". X(旧Twitter)より2021年4月6日閲覧。
- ^ a b c d e f ラジオCMのご案内(電波はどこまで届いているの?)より。
- ^ 「FM富士のJFN脱会のホンネ」『企業と広告』第19巻第4号、株式会社チャネル、1993年4月1日、14 - 15頁、NDLJP:2853121/10。
- ^ 「radiko.jp」5月9日スタート!FM FUJI
- ^ コーポレート・ロゴの刷新について valuepress、2021年4月6日閲覧。
- ^ “FM FUJIは「SDGメディア・コンパクト」に加盟しました”. FM FUJI TOKYO78.6 KOFU83.0. 2021年9月17日閲覧。
- ^ “SDGメディア・コンパクトとは”. 国連広報センター. 2021年9月17日閲覧。
- ^ “表彰番組・事績 | 一般社団法人 日本民間放送連盟”. j-ba.or.jp. 2021年9月17日閲覧。
- ^ “FM FUJI ロヂウラベースが2021年日本民間放送連盟賞番組部門(ラジオ)エンターテインメント番組にて優秀賞を受賞しました!”. FM FUJI TOKYO78.6 KOFU83.0. 2021年9月17日閲覧。
- ^ “表彰番組・事績 | 一般社団法人 日本民間放送連盟”. j-ba.or.jp. 2021年9月17日閲覧。
- ^ 参照
- ^ auスマートパス、auスマートパスプレミアム会員の方必見! 全国のFM放送(ライブ)が楽しめる「radiko for au」誕生。 radiko公式サイト、2021年9月19日閲覧。
- ^ 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑2015』コーケン出版、2015年11月20日、320頁。
- ^ 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑2016』コーケン出版、2016年11月25日、327頁。
- ^ 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑2003』コーケン出版、2003年11月、306頁。
- ^ FM-FUJI STREAMING RADIO(有料放送)
- ^ 2024年度タイムテーブル
- ^ 共同通信社 - 加盟社・契約社一覧
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