アメリカ合衆国の社会 スポーツ

アメリカ合衆国の社会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 04:20 UTC 版)

スポーツ

陸軍士官学校海軍兵学校のバスケットボール試合

19世紀後半以来、野球が国民のスポーツと見なされてきた。アメリカンフットボールバスケットボールおよびアイスホッケーを合わせて北米4大プロスポーツリーグになっている。大学のフットボールやバスケットボールも多くの観衆を惹き付けている。幾つかの調査によるとアメリカンフットボールはアメリカ合衆国で最も人気のある「見るスポーツ」になっている[28]。昔はボクシング競馬が良く観衆を集めたものだったが、ゴルフ自動車レース、特にNASCARのレースに凌駕されてきた。アメリカでのサッカーはまだそれ程のプロスポーツとして育っていないが、若者やアマチュアの間では広く行われている。テニスなど多くの屋外スポーツも人気がある。

食品と衣料

ハンバーガーはアメリカ合衆国で有名な食品である

アメリカ合衆国の料理は、大陸の広大さ、比較的多い人口(3億人)および多くの出身国の移民の影響により、非常に多様化している。家庭で供される食品は大変異なっており、国内の地域や家庭自体の文化的継承によっている。近年の移民は出身国の食品に類似したものを食する傾向にあり、またアメリカ風中華料理やアメリカ風イタリア料理のように出身国の料理をアメリカ化したものが好まれている。例えばベトナム料理朝鮮料理およびタイ料理である。ドイツ料理に使われるジャガイモ、ヌードル、ローストシチューおよびケーキペイストリーがアメリカとドイツで最も象徴的な食材であるので、特にアメリカ合衆国中西部ではアメリカ料理に豊富な影響を与えてきた[3]ハンバーガーポットロースト、ベークトハムおよびホットドッグのような料理はドイツ料理から派生したアメリカ料理の例である[29]。アメリカ合衆国の様々な地域で独自の料理や調理様式を持っている。例えばルイジアナ州はそのケイジャンクレオール料理で知られている。ケイジャンとクレオール料理はそれ自体独創的で特異なものであるが、フランスアカディアおよびハイチの料理に影響されている。例えば、ザリガニのエトフェ、レッドビーンズ・アンド・ライス、シーフードあるいはチキンのガンボジャンバラヤおよびブーダンである。イタリア、ドイツ、ハンガリーおよび中国の影響や、伝統的インディアン、カリブ海、メキシコおよびギリシャの料理も一般的なアメリカのレーパートリーに溶け込んできた。中西部出身の「中産階級」の家庭では、1週間の夕食に、例えばレストランピザ、家造りピザ、エンチラーダス・コンカルネ、チキンパプリカス、ビーフストロガノフ、およびザウアークラウト付きブラートヴルストを食するのはよくある話である。


仕事上の付き合いで着用する衣類は別にして、アメリカ合衆国における衣料は柔軟であり圧倒的に形式に拘らないスタイルである。アメリカの多様な文化的ルールが衣類にも反映されており、特に近年の移民のものがそうである。カウボーイハットブーツおよびバイク用皮ジャケットは特にアメリカ様式の象徴的なものになっている。1850年代にサンフランシスコに移民してきたドイツ系ユダヤ人の商人リーヴァイ・ストラウスによって、ブルージーンズが労働着として普及され、1世紀後にはアメリカのティーンエージャーが採用した。現在では全世界で年齢、階級を問わず広く着用されている。一般的な大量生産の普段着と共に、ブルージーンズは世界のファッションを変えたアメリカ文化と言うことができる[30]。アメリカではラルフ・ローレンカルバン・クラインのような多くの世界をリードするデザイナーブランドも生まれた。アバクロンビー&フィッチやエコーのようなブランドは様々なニッチ市場に浸透した。

教育

アメリカ合衆国における教育は主に連邦政府、州政府および地方自治体という3つの組織からの統制と予算で行われている。小学校高等学校レベルの学校に入学することは義務化されほとんど普遍化されている。

生徒は公立学校に行くか、私立学校に行くか、あるいは家庭内教育を受けるかを選択できる。大半の公立および私立学校では小学校、中学校および高校の3つのレベルに区分されている。児童・生徒は年齢によってグレードに分けられる。「カレッジ」や「大学(university)」と呼ばれる高等教育は小学校や高校とは別に管理されている。

2000年時点でアメリカ合衆国国内の幼稚園から大学院まで7,660万人が学んでいた。これらのうち12歳から17歳までの生徒の72%は、上級レベルに進学するものと判断された。義務教育の中では、520万人(10.4%)が私立学校に入学している。アメリカ合衆国の成人の中で、85%は高校を卒業しており、27%は学士以上の学位を持っている。


  1. ^ a b c d e f g h i j Thompson, William; Joseph Hickey (2005). Society in Focus. Boston, MA: Pearson. 0-205-41365-X 
  2. ^ Clack, George, et al. (September 1997). “Chapter 1”. One from Many, Portrait of the USA. United States Information Agency 
  3. ^ a b c d Adams, J.Q.; Pearlie Strother-Adams (2001). Dealing with Diversity. Chicago, IL: Kendall/Hunt Publishing Company. 0-7872-8145-X 
  4. ^ Middle class according to The Drum Major Institute for public policy”. 2006年7月25日閲覧。
  5. ^ a b Fussel, Paul (1983). Class. New York, NY: Touchstone. 0-671-79225-3 
  6. ^ a b c Ehrenreich, Barbara (1989). Fear of Falling: The Inner Life of the Middle Class. New York, NY: HarperCollins. 0-06-0973331 
  7. ^ a b Eichar, Douglas (1989). Occupation and Class Consciousness in America. Westport, Connecticut: Greenwood Press. 0-313-26111-3 
  8. ^ Harvard Magazine, Middle class squeeze”. 2006年12月13日閲覧。
  9. ^ a b CNN, work in American, UN report finds Americans most productive, 2002”. 2006年12月15日閲覧。
  10. ^ US Bureau of Labor, hours worked, 2005”. 2006年12月15日閲覧。
  11. ^ US Department of Labor, employment in 2006”. 2006年12月15日閲覧。
  12. ^ International vacation comparison”. 2006年12月15日閲覧。
  13. ^ a b c d e f Hine, Darlene; William C. Hine, Stanley Harrold (2006). The African American Odyssey. Boston, MA: Pearson. 0-12-182217-3 
  14. ^ US Census Bureau, Race and Hispanic or Latino during the 2000 Census”. 2006年12月15日閲覧。
  15. ^ Semiannual Report of the War Relocation Authority, for the period January 1 to June 30, 1946, not dated. Papers of Dillon S. Myer. Scanned image at trumanlibrary.org. Accessed 18 September 2006.
  16. ^ Religion in the US by state”. 2006年12月14日閲覧。
  17. ^ a b US Census Bureau, Income newsbrief 2004”. 2006年12月15日閲覧。
  18. ^ US Census Bureau, educational attainment in the US, 2003” (PDF). 2006年12月15日閲覧。
  19. ^ US Department of Justice, Crime and Race”. 2006年12月15日閲覧。
  20. ^ Key Issues in Postcolonial Feminism: A Western Perspective by Chris Weedon, Cardiff University

    トニ・モリスンは1981年の小説青い眼が欲しいの中で、アメリカ合衆国における貧しい黒人に対する19世紀の人種差別の名残りを表現している。この小説は、貧しい黒人家庭の娘であるペコラ・ブリードラブが如何に発狂するまでに白人の美の標準を内面化したかを告げている。彼女の青い目に対する熱烈な願いは、彼女が住んでいる貧しく愛が無く差別される環境から逃げ出したいという願望を意味するようになっている。

  21. ^ Some notes on the BLACK CULTURAL MOVEMENT
  22. ^ "Detailed Tables - American FactFinder; T3-2008. Race U.S. Census Bureau
  23. ^ "Detailed Tables - American FactFinder; T4-2008. Hispanic or Latino By Race
  24. ^ US Census Factfinder”. 2009年7月5日閲覧。
  25. ^ a b Highlights of the 2001 National Household Travel Survey, Bureau of Transportation Statistics, U.S. Department of Transportation, accessed May 21, 2006
  26. ^ a b オルデンバーグ 2015, pp. 433–436.
  27. ^ a b オルデンバーグ 2015, pp. 274–276.
  28. ^ Krane, David K. (2002年10月30日). “Professional Football Widens Its Lead Over Baseball as Nation's Favorite Sport”. Harris Interactive. 2007年9月14日閲覧。 Maccambridge, Michael (2004). America's Game: The Epic Story of How Pro Football Captured a Nation. New York: Random House. ISBN 0375504540.
  29. ^ History of the Hamburger”. 2006年11月13日閲覧。
  30. ^ Davis, Fred (1992). Fashion, Culture, and Identity. Chicago: University of Chicago Press, p. 69. ISBN 0226138097.
  31. ^ a b Washington Post, America is losing its middle income neighborhoods”. 2006年7月25日閲覧。
  32. ^ Beginning Too Soon: Adolescent Sexual Behavior, Pregnancy And Parenthood”. US Department of Health and Human Services. 2007年3月11日閲覧。
  33. ^ Wendy D. Manning, Peggy C. Giordano, Monica A. Longmore (2006). “Hooking Up: The Relationship Contexts of "Nonrelationship" Sex”. Journal of Adolescent Research 21 (5): 459. doi:10.1177/0743558406291692. http://jar.sagepub.com/cgi/content/abstract/21/5/459. 
  34. ^ Katie Couric (2005年). “Nearly 3 in 10 young teens 'sexually active'”. MSNBC. 2007年1月21日閲覧。
  35. ^ Anna Mulrine. “Risky Business”. U.S. News & World Report (May 27, 2002). http://www.usnews.com/usnews/culture/articles/020527/archive_020860.htm. 
  36. ^ U.S. Teen Sexual Activity” (pdf). Kaiser Family Foundation (2005年1月). 2007年3月11日閲覧。
  37. ^ Core Health Indicators”. 2010年2月25日閲覧。
  38. ^ Brian K. Williams, Stacy C. Sawyer, Carl M. Wahlstrom, Marriages, Families & Intimate Relationships, 2005
  39. ^ “オバマ効果?女性議員数が過去最高となる米国”. (2012年12月25日). http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324475804578200632534332700.html 2013年1月18日閲覧。 
  40. ^ The Italian Way of Death”. 2009年10月8日閲覧。
  41. ^ Bunting, Bainbridge; Robert H. Nylander (1973). Old Cambridge. Cambridge, Mass.: Cambridge Historical Commission. pp. 69. ISBN 0262530147 
  42. ^ a b c Williams, Brian; Stacey C. Sawyer, Carl M. Wahlstrom (2005). Marriages, Families & Intimate Relationships. Boston, MA: Pearson. 0-205-36674-0 
  43. ^ Edwards 1991; Stacey 1996
  44. ^ [1]
  45. ^ [2]
  46. ^ [3]





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アメリカ合衆国の社会」の関連用語

アメリカ合衆国の社会のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アメリカ合衆国の社会のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアメリカ合衆国の社会 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS