アオウオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 15:21 UTC 版)
養殖
比較的早く成長し、食用としてうま味もあるので、中国では華南を中心に、ソウギョなどと同じ養殖池を使って養殖されることが多い。四大家魚の中では最も少ないが、2010年には42.4万トンが出荷された。省別では、湖北省(8.5万t)、江蘇省(7.0万t)、湖南省(5.8万t)、安徽省(5.6万t)、江西省(3.6万t)の順であった[5]。
利用
食用
白身魚であるが、味は比較的濃厚である。他のコイ科の魚と同様に、分岐した小骨が多いので、食べる際には注意が要る。中国料理では、鍋料理、煮物などの素材として使うことが多い。
江蘇料理の「焼划水」(シャオホアシュイ)には、アオウオの尾に近い部分が使われることが多く、この部分のみを数尾分集めて甘辛く煮付ける。
清の王士雄の薬膳料理に関する著書『随息居飲食譜』には「青魚鮓」という食品が紹介されている。なれずしではなく、塩と酒粕に漬けた粕漬けである。『金匱要略』で、これとコエンドロ、フユアオイ、麦味噌は合食禁としている。粕漬けは現代も作られており、浙江料理や江蘇料理に使う「糟青魚干」はアオウオを鱗ごと開きにして、塩をすり込み、陰干しにした後、酒粕に4ヶ月程度漬け込んだものである。食べる際には1時間程度蒸して、柔らかくして食べるのが良いとされるが、油で焼いたり、煮たりする料理もある。
薬用
肉を薬膳材料、強壮薬などに利用するほか、後頭骨を中国医学では「青魚枕」(せいぎょちん)と、胆嚢を「青魚胆」(せいぎょたん)と称して生薬として利用する[6]。
後頭骨は蒸してから、天日干しにする。琥珀の代用にされ、水気を平常にもどすとされる。
胆は陰干しにして保存する。清熱、青魚胆の性味は、『本草綱目』で苦、寒とされ、消炎、明目の効用がある。李氏朝鮮の『東医宝鑑』は、青魚胆と明礬を混ぜて保存し、使う際に百草霜、塩、酢を加えて、アヒルの羽毛に付けて、痰を取り出す方法を載せている。
関連項目
- ^ 王鴻媛、『北京魚類志』pp34-35、1984年、北京出版社、北京
- ^ 中国水産学会編、『漁業統計常見品種図鑑』p125、2010年、中国農業出版社、北京、ISBN 978-7-109-15239-7
- ^ 戸田競艇場:体重50キロの大型魚が浮く…埼玉 Archived 2011年1月25日, at the Wayback Machine. 毎日.jp 2011年1月25日
- ^ コイ? シーラカンス? 東京・日比谷公園の巨大魚の正体は Archived 2011年1月24日, at the Wayback Machine. 毎日.jp 2008年6月4日
- ^ 農業部漁業局編、『2011 中国漁業年鑒』p188、2011年、北京・中国農業出版社、978-7-109-16084-2
- ^ 江蘇新医学院編、『中薬大辞典』p1225、p1239、1986年、上海、上海科学技術出版社、ISBN 7-5323-0842-1
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