X線の発見とは? わかりやすく解説

X線の発見

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:27 UTC 版)

ヴィルヘルム・レントゲン」の記事における「X線の発見」の解説

当時ハインリヒ・ヘルツフィリップ・レーナルトらによって真空放電陰極線研究進められていた。陰極線電子流れだが、金属透過することから当時物理学では粒子流れではなく電磁波一種考えられていた。レントゲンもこれらの現象興味持ちレーナルト依頼して確実に動作するレーナルト管を譲り受けた。なおX線の発見に関する論文でこれに対す謝辞がなかったため、レーナルトから激し怒り買っている。 レーナルト管は管全体が弱い光を帯びるので、陰極線を見やすくするためにアルミニウム窓以外を黒い紙で覆った。さらに、アルミ窓はないが似た構造クルックス管からも陰極線のようなものが出ているかもしれないレントゲン考えたクルックス管陰極陽極ともに白金使われており、これに20kV程度電圧印加するので、陰極から出た電子陽極核外電子弾き出して遷移起き白金特性X線生じていたことが後にわかったレントゲン陰極線が出るならばクルックス管よりも弱いはずだと考え、見やすくするため同様に黒い紙で全体覆った。さらに、検出のために蛍光紙(シアン白金バリウムの紙)を用意した1895年11月8日ヴュルツブルク大学においてクルックス管用いて陰極線研究をしていたレントゲンは、の上蛍光の上に暗い線が表れたのに気付いた。この発光光照射によって起こるが、クルックス管は黒い紙で覆われており、既知の光は遮蔽されていた。状況的作用の元は外部ではなく装置だとレントゲン考え、管から2メートルまで離して発光起きることを確認した。これにより、目には見えないが光のようなものが装置から出ていることを発見した後年この発見の時何を考えた質問されレントゲンは、「考えはしなかった。ただ実験をした」と答えている。実験によって、以下のような性質明らかになった。 1,000ページ上の分厚い本やガラス透過する 薄い金属箔透過し、その厚みは金属の種類依存する 鉛には遮蔽される 蛍光物質発光させる 熱作用示さない また、検出蛍光板ではなく写真乾板用いることで、鮮明な撮影可能になった。 光のようなものは電磁波であり、この電磁波陰極線のように磁気受けて曲がらないことからレントゲン放射線存在確信し数学未知数を表す「X」の文字用いて仮の名前としてX線命名した。7週間昼夜通じた実験の末、同年12月28日には早くもber eine neue Art von Strahlen"(『新種放射線について』)という論文ヴュルツブルク物理医学会長送っている。さらに翌1896年1月には、妻の薬指指輪をはめて撮影したものや金属ケース入り方位磁針など、数X線写真論文添付して著名な物理学者送付した

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X線の発見

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 22:17 UTC 版)

クルックス管」の記事における「X線の発見」の解説

クルックス管加えられる電圧が約5000 V以上の分高い値であれば陽極ガラス管壁にぶつかったときにX線生成するほどの速度まで電子加速することができる。高速電子X線生成する過程二通りある。まず、正電荷集中している原子核近傍通り過ぎると電子軌道鋭く曲げられその際X線放射する。この過程制動放射という。次に電子原子衝突して原子内の電子上のエネルギー準位押し上げた際、その電子が元のエネルギー準位に戻るときに余分なエネルギーX線として放出することがある。この過程蛍光X線呼ばれる初期作られクルックス管X線発生させていたのは間違いない実際、イヴァン・プリュイ(en)などの当時研究者は、クルックス管近くに未感光写真乾板を置くと乾板が曇ることに気づいていた。1895年11月8日、黒い厚紙覆われクルックス管操作していたレントゲンは、近く置いてあった蛍光スクリーンかすかに光を発していることに気付いたレントゲンクルックス管から何らかの目に見えない放射線出ており、厚紙透過してスクリーン蛍光を発させていることを察知した手元にあった紙片や本ではこの放射線を遮ることはできなかった。レントゲン腰を据えてこの放射線の研究取り掛かり1895年12月28日にはX線に関する最初研究論文公開したレントゲンはこの発見により第一回ノーベル物理学賞1901年)を受賞したX線医療応用され始めクルックス管初め実用的な用途生まれた各地工房ではX線の発生特化したクルックス管製作され始め、これがX線管原型となった重金属X線の発生量が大きいため、陽極材料として主にプラチナ用いられた。陽極陰極に対して適当な角度傾けられており、その表面から発したX線が管の側壁透過するようになっていた。鮮明なX線像を得るにはX線源点光源近づける必要があるため、陰極形状を凹球面とすることで陽極上の直径1 mmスポット電子線集中照射していた。この種の冷陰極X線管1920年頃まで用いられていたが、熱陰極クーリッジ管に後を譲った

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