【OYQ-5】(おーやいきゅうご)
海上自衛隊が運用する戦術情報処理装置。搭載艦にははつゆき型護衛艦がある。
本システムはこれまでのOYQ-4(WES)とは違い、初の国産開発となった。
これは海自プログラム業務隊と三菱電機の共同開発によるもので、TDS(Target Direction System)とも呼ばれる。
OYQ-5はセンサー情報による脅威評価を行い、76ミリ単装砲や短SAMシステム(シースパローミサイルシステム)の管制を行える。
また、これらの射撃管制を司る国産の射撃指揮装置FCS-2も初めて搭載された。
一方で、搭載されたセントラル・コンピュータ「UYK-20」の処理能力不足により、リンク11の搭載は断念された。
その代わり、変則的ではあるがテレタイプ受信用のリンク14を搭載している。
このため、OYQ-5搭載艦は非NTDS艦とも呼ばれている。
なお、建造時に本システムが搭載されたのははつゆき型のみだったが、のちに「いしかり」型護衛艦や「ゆうばり」型護衛艦にも搭載された模様である。
OYQ-5
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/03 21:40 UTC 版)
OYQ-5 TDS(目標指示装置、英語: Target Designation System)は、海上自衛隊のC4Iシステム(戦術情報処理装置)の一つ。また本項目では、OYQ-5より発展したOYQ-6, OYQ-7, OYQ-8に関しても記述する。
注釈
出典
- 1 OYQ-5とは
- 2 OYQ-5の概要
- 3 OYQ-6/7
- 4 OYQ-8
OYQ-5
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 08:08 UTC 版)
既存の訓練・教育および機材整備体系との整合性の観点から、ハードウェアはWESやTDPSと同様の米国製が採用されており、下記のような構成となった。 電子計算機 - AN/UYK-20×1基 TDSコンソール - OJ-194/UYA-4×4基追尾員用対空目標追尾員(Air Detector Tracker: AD/T) 水上目標追尾員(Surface Detector Tracker: SD/T) 管制官用戦術評定・武器管制官(Evaluator/Ship Weapon Coordinator: EVAL/SWC) 射撃指揮装置/ミサイル・ランチャー管制官(Director Assignment Controller/Weapon Assignment Controller: DAC/WAC) WCP-1A武器管制盤 TDSコンソールは、WESやTDPSと同じOJ-194/UYA-4が採用された。当初は3基構成の予定だったが、対潜戦機能(ソナー探知目標表示および哨戒ヘリコプター管制)能力付与のため、上記の通り4基に増備された。電子計算機として採用されたAN/UYK-20は、WESやTDPSで採用されたCP-642B/USQ-20よりも1世代新しい機種であり、OYQ-5ではメモリサイズ64キロワードの機種が採用された。ただしメモリサイズは当時としても小容量であったためにソフトウェアの開発には苦労が伴い、例えばオペレーティングシステム(OS)については、汎用のOSの核の部分のみ小さくまとめた独自のOSを開発して、メモリの有効活用を図った。プログラミング言語としてはCMS-2(英語版)を使用した。 センサー情報をもとに目標の脅威評価を行ない、シースパローIBPDMSおよび76mm単装速射砲による適切な武器の指向をリコメンドする(すなわちTEWA機能を備えた)システムであり、性能的にはミサイル護衛艦向けのWESにおおむね匹敵するものとされている。ただしOPS-14やOPS-18などのレーダー・システムとの連接は実現せず、レーダー情報の入力は手動で行なう必要があったため、応答時間の短縮上限界があった。 戦術データ・リンクとしては、処理能力やコストの面から、当時北大西洋条約機構(NATO)で標準的に採用されていた双方向式のリンク 11の搭載は断念された。その後、リンク 14を通じて受信した情報を入力する機能が後日装備されたものの、これは本来はラジオテレタイプ(RTTY)を通じたテレタイプ端末での受信用であり、受信・読み取り・作図等の所要の情報処理上のタイムロスがあり、自艦(僚艦)対空レーダ探知目標の後追い情報となるため有効性に乏しく、またテレタイプ英文印刷であるため読み取り員には上級電測員を配員せざるを得ず、実用性には乏しかった。
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