FCS-2とは? わかりやすく解説

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【FCS-2】(えふしーえすつー)

海上自衛隊護衛艦装備する艦砲ミサイル射撃指揮装置
制式名称は「81式射撃指揮装置」である。
1960年代防衛庁技術研究本部(現・防衛省技術研究本部)が開発した
昭和50年みねぐも型護衛艦むらくもJDS Murakumo, DD-118)」に搭載され実用試験が行われたのち、昭和57年竣工したはつゆき型護衛艦から搭載され、現在ではたかなみ型護衛艦むらさめ型護衛艦などに搭載されている。

システム方位盤レーダー受信装置コンソール信号変換機ビデオ信号処理機、電子計算機出入力盤の6つパーツ構成されている。
各種要素技術成熟受けて前代FCS-172射撃指揮装置)では導入見送られ多く新機軸実用化成功している。
有人であった方位盤自動化され無人となった他、捜索中追尾TWS能力として多目自動追尾能力実装、艦のレーダーからの目標情報移管、対応時間の短縮なども実現した

射撃用レーダーには追尾レーダー捜索/警戒レーダー2種類用意され、またITVによる光学照準可能になっている。
コンソール一元化され、Mk95とYSQ-1等によりデジタル化進みコンソール1台で射撃指揮から目標追尾まで可能となった

FCS-2には次のタイプがある。

FCS-2-1281式射撃指揮装置2型12
最も初期開発され基本型で砲及びミサイル管制を行う。
全体が白いレドーム覆われているのが特徴で、中には追尾レーダー捜索/警戒レーダー内蔵されている。 搭載艦にははつゆき護衛艦あさぎり護衛艦がある。

FCS-2-21(81式射撃指揮装置2型21
FCS-2-12ベース簡素化し管制特化したもので、追尾レーダー露出しているのが特徴である。
改良型として追尾可能俯角100度(-2181度)に拡張され天頂までの追尾が可能となったFCS-2-22がある。
搭載艦にはこんごう型護衛艦はつゆき護衛艦はたかぜ型護衛艦がある。
また、対空レーダー持たないいしかり」では、限定的な対空捜索任務も行う。

FCS-2-3181式射撃指揮装置2型31
FCS-2-21とFCS-2-12との中間的な存在で、方位盤管制装置大幅に見直された。
また、右側には光学照準器併設されている。
むらさめ型護衛艦たかなみ型護衛艦主砲およびRIM-162ESSM」)やRUM-139ASROC」の発射管制を行う。

主な搭載艦


FCS-2

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/23 08:10 UTC 版)

81式射撃指揮装置2型FCS-2)は、日本で開発された射撃指揮装置(FCS)艦砲個艦防空ミサイル(短SAM)の射撃指揮に用いられており、いずれも海上自衛隊護衛艦に装備されている。


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