dilemma
「dilemma」の意味
「dilemma」とは、二つの選択肢のどちらを選んでも問題が生じるような困難な状況を指す言葉である。選択肢間で利益や価値が相反し、どちらを選んでも損失や犠牲が伴う場合に用いられる。また、倫理的なジレンマとして、道徳的な判断が難しい状況を表すこともある。「dilemma」の発音・読み方
「dilemma」の発音は、/dɪˈlɛmə/であり、IPAのカタカナ読みでは「ディレマ」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「ディレンマ」と読むことが一般的である。「dilemma」の定義を英語で解説
A dilemma is a situation in which a difficult choice has to be made between two or more alternatives, especially ones that are equally undesirable. It often involves a decision where the outcomes of each option have conflicting benefits and drawbacks, making it challenging to determine the best course of action. Ethical dilemmas may also arise when moral judgments are difficult to make.「dilemma」の類語
「dilemma」に類似した意味を持つ言葉には、以下のようなものがある。quandary
「quandary」は、どの選択肢を選んでも不利益が生じるような困難な状況を指す。判断が難しい状況や進退窮まる状態を表現する際に用いられる。predicament
「predicament」は、困難な状況や窮地を意味する言葉で、解決策が見つからないような厄介な問題を指す。「dilemma」に関連する用語・表現
ethical dilemma
「ethical dilemma」は、倫理的なジレンマを指す言葉で、道徳的な判断が難しい状況を表す。false dilemma
「false dilemma」は、実際には他の選択肢が存在するにもかかわらず、二つの選択肢しかないかのように提示される論理的誤謬を指す。「dilemma」の例文
以下に、「dilemma」を用いた例文を10個示す。 1. 彼は自分のキャリアにおけるジレンマに直面していた。(He faced a dilemma in his career.)2. その政治家は、経済成長と環境保護の間でジレンマに陥っていた。(The politician was caught in a dilemma between economic growth and environmental protection.)
3. 彼女は家族と仕事の間でジレンマを抱えていた。(She had a dilemma between her family and her job.)
4. 彼はその倫理的ジレンマに苦しんでいた。(He struggled with the ethical dilemma.)
5. その企業は利益追求と社会貢献のジレンマに直面していた。(The company faced a dilemma between profit-seeking and social contribution.)
6. 彼はそのジレンマを解決するために専門家の意見を求めた。(He sought expert advice to resolve the dilemma.)
7. 彼らはそのジレンマを乗り越えるために協力しなければならなかった。(They had to cooperate to overcome the dilemma.)
8. そのジレンマは彼の決断力を試すものであった。(The dilemma tested his decision-making abilities.)
9. 彼女はそのジレンマを友人と話し合った。(She discussed the dilemma with her friends.)
10. そのジレンマは彼にとって大きな悩みの種であった。(The dilemma was a major source of concern for him.)
ジレンマ
「ジレンマ」の基本的な意味
「ジレンマ」とは、二つの選択肢があり、どちらを選んでも不利益が生じるような状況を指す言葉である。このような状況は、選択の難しさや複雑さを示すものであり、解決策が見つけにくいことが特徴である。例えば、経済成長を促すために環境破壊を引き起こす政策を採用するか、環境保護を優先して経済成長を犠牲にするかといった状況がジレンマの一例である。「ジレンマ」の語源
「ジレンマ」は、古代ギリシャ語の「ディレンマ」(dilemma)が語源である。ディレンマは、「二つの前提」を意味する「ディ」(di)と、「仮定」を意味する「レンマ」(lemma)が組み合わさった言葉である。古代ギリシャの哲学者たちは、二つの前提から導かれる結論がどちらも受け入れがたい場合をディレンマと呼んでいた。現代では、この言葉が二つの選択肢に対する困難な状況を指すようになっている。「ジレンマ」の類語
「ジレンマ」に類似した意味を持つ言葉に、「窮地」や「板挟み」がある。窮地は、進退窮まった状況や苦境を指す言葉であり、ジレンマと同様に選択が難しい状況を示す。板挟みは、二つの勢力や意見の間で立場を決めかねる状況を表す言葉である。これらの言葉も、ジレンマと同じく困難な選択を迫られる状況を表現するために用いられる。「ジレンマ」に関連する用語・知識
プリズナーズ・ダイレンマ
プリズナーズ・ダイレンマは、ゲーム理論における有名な問題であり、ジレンマの一種である。二人の犯罪者がそれぞれ自分の利益を最大化しようとすると、互いに不利益な結果になるという状況を示す。この問題は、個人の利益追求が集団全体の利益を損なうことを示しており、協力や信頼の重要性を考える上で参考にされる。トラジコメディ
トラジコメディは、悲劇と喜劇の要素を併せ持つ演劇の形式である。登場人物がジレンマに直面し、その選択によって悲劇的な結末や喜劇的な結末が生じることが特徴である。トラジコメディは、人間の葛藤や選択の難しさを描くことで、観客に深い感動や考えさせるものを提供する。バランス・シート・リセッション
バランス・シート・リセッションは、企業や家庭が負債の返済を優先して消費や投資を抑制し、経済が停滞する状況を指す。この状況では、政府が財政政策を用いて経済を刺激しようとすると、財政赤字が拡大し、長期的な経済成長が阻害されるジレンマが生じる。バランス・シート・リセッションは、適切な政策選択が求められる難題である。「ジレンマ」を用いた例文
1. 彼は、仕事を続けて家族との時間を犠牲にするか、仕事を辞めて家族と過ごす時間を増やすかというジレンマに悩まされていた。 2. 企業は、新製品の開発に投資して競争力を維持するか、利益を確保するために投資を抑制するかというジレンマに直面している。 3. 政府は、インフラ整備のために多額の費用を投じることで財政赤字が拡大するジレンマに苦しんでいる。ジレンマ
「ジレンマ」とは、2つの事柄の間で板挟みになった状態のことを意味する表現。
「ジレンマ」とは・「ジレンマ」の意味
「ジレンマ」とは、互いに反対の関係にある2つの事柄の間で板挟みになる状態をいう。ジレンマは「ディレンマ」ともいい、英語の「dilemma」を語源とした外来語である。dilemmaは「仮説」や「前提」を意味する「lemma」に、数字の2を意味する「di」が付随したギリシャ語が語源となっており、「二重の問題」という意味を持つ。数字の3を意味する「tri」が付随すれば「トリレンマ」となって、「3つの選択肢の中で1つを放棄しなくてはならない状態」のことになる。ジレンマもトリレンマも、ともに望ましくない状況に陥っていることを示す言葉である。「ジレンマ」が示す板挟みとは、2つの事柄の中から必ずどちらかを選択しなくてはならないと同時に、どちらを選ぶにしても望ましくない結果を招いてしまう状況のことをいう。また、論理学では「両刀論法」といわれる三段論法のことをジレンマという。2つの選択肢を大前提、1つの選言を小前提として結論を導き出すのが両刀論法であり、「私は嘘をつくと人に嫌われる」「私は嘘をつかないと人に嫌われる」「私は嘘をつくかつかないかどちらかである」「私はどちらにせよ嫌われる」などがその例になる。
代表的な「ジレンマ」として知られているものに、「囚人のジレンマ」「ヤマアラシのジレンマ」「社会的ジレンマ」などがある。囚人のジレンマとは、ゲーム理論に基づくもので、ゲームの参加者は自分にとって得になる選択を行えば行うほど、他の参加者と協力して対処するよりも悪い結果を導いてしまうというジレンマである。企業の価格競争などに見られ、2店が値下げしなければともに利益は変わらないことがわかっていても、1店が値下げして利益を得ると、もう1店も値下げして利益を得ようとする。そのうち両店の値下げ合戦に陥って、結果的に両店は利益を落とすというのがその例である。
ヤマアラシのジレンマとは、全身に鋭い針を持つヤマアラシ同士が寄り添おうとすれば、その針がお互いの体を傷つけることから、近づきたくても近づけず、一定の距離をとらざるを得ないという人間関係のジレンマである。社会的ジレンマとは、個人にとって最も良いと思われる選択が、社会的にみると受け入れられないことから生じるジレンマである。たとえば、夏の暑い日に、冷房を最大限にして涼をとるという個人の行動は、個人にとっては合理的で最善の選択であっても、温暖化防止の観点から節電を促進しようとする社会全体の流れには反した行動となるといった板挟み状態がその例である。
「ジレンマ」の熟語・言い回し
恋のジレンマとは
恋のジレンマとは、恋愛状況にある人が陥りがちな心理の板挟みをいい、多くはヤマアラシのジレンマに陥っているものである。相手に寄り添いたい気持ちがあっても、心に葛藤を抱えてしまって近づけない状態をさす。葛藤の原因は、「どうせ自分なんて相手にしてもらえない」といった自己肯定感の低さや、拒絶されることへの恐怖感、負けず嫌いからくる心理的降伏への抵抗感、過去の失恋のトラウマなどが考えられる。
ジレンマを抱えるとは
ジレンマを抱えるとは、2者択一の心理的な板挟み状態に陥ってしまうことをいう。たとえば、同じ職場の同僚同士で人間関係も良好だった2人が、一方の昇格によって関係のバランスが崩れ、友人としての気持ちと上司に対する気持ちの板挟み状態に入ってしまったそのときに、ジレンマを抱えるという状態になる。
「ジレンマ」の使い方・例文
「ジレンマ」の使い方・例文としては、「外交努力を怠ってしまうと、安全保障のジレンマに陥ってしまう恐れがある」「仕事が忙しくなれば給与はあがるが、その分家族と過ごす時間が少なくなるというジレンマに悩む」「人間関係の悩みはヤマアラシのジレンマで説明できる」「経済を優先すれば自然を破壊せざるを得ないというのは現代人が抱えているジレンマだ」「彼は悩み多き男で常にジレンマを抱えている」「イノベーションのジレンマは、特に歴史ある企業に起こりやすい」「友達と同じ人を好きになってしまったら、恋か友情のどちらかを犠牲にしなくてはならないというジレンマがやってくる」「人生の後半で、生きるか死ぬかのジレンマを抱え込むとは思わなかった」「ジレンマの類義語には、ピンチや窮地といった言葉が適切である」「デジタルジレンマの問題はコストがかかるという点だ」「人の死の定義は医療の倫理ジレンマにかかわる答えの出にくい問題だ」などを挙げることができる。ジレンマ【dilemma】
読み方:じれんま
《「ディレンマ」とも》
2 論理学で、二つの仮言的判断を大前提とし、その判断を小前提で選言的に肯定または否定して結論を導き出す三段論法。例えば、「城にとどまれば焼き殺される。城から出れば切り殺される」「城にとどまるか、城から出るかよりほかに道はない」「故に、いずれにしても殺される」の類。両刀論法。
ディレンマ【dilemma】
ジレンマ (曖昧さ回避)
(Dilemma から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 09:33 UTC 版)
ジレンマまたはディレンマ
- 1 ジレンマ (曖昧さ回避)とは
- 2 ジレンマ (曖昧さ回避)の概要
- Dilemmaのページへのリンク