4代目 K13型系(2010年 - 2022年予定)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 00:08 UTC 版)
「日産・マーチ」の記事における「4代目 K13型系(2010年 - 2022年予定)」の解説
2010年7月におよそ8年半ぶり、3度目のフルモデルチェンジを受ける。今回は日本国内での生産はなく、タイ・中国大陸・インド(ルノー・パルスとの混産)・メキシコ(アグアスカリエンテス工場)・ブラジル・台湾の各工場での生産となる。日本仕様は追浜工場製からタイのタイ日産(旧:サイアム日産オートモービル)製に変更された(なお、日本向け仕様については追浜工場にてPDIが行われる)。日本での月間販売目標台数は4000台と発表された。 プラットフォームはレイアウトの最適化とシンプルなボディ構造を追及し新開発されたVプラットフォームを採用。低重心化とタイヤを四隅に配列したデザインとしたことでリアトレッドを拡大すると共に、シル部も外側へ張り出したことでコンパクトでありながら踏ん張り感のあるプロポーションとした。また、後端はわずかに跳ね上がるような流線型のルーフラインとしたことで空力性能を高め、燃費向上に貢献した。また、特徴の一つである丸型ヘッドランプやアーチを描くサイドウィンドウはマーチのDNAである「フレンドリー」を継承する為、先代のK12型に近いデザインとした。 エンジンは軽量・コンパクト・低フリクションロスに優れた燃費効率を持つ新開発のHR12DE型直列3気筒DOHC12バルブエンジンに変更となり、トランスミッションはCVTに2段変速の副変速機を組み合わせた「新世代エクストロニックCVT」を全グレードに採用。また、「12X」と「12G」には信号待ちなどの停車時にエンジンを自動停止するアイドリングストップ機構を備える。このアイドリングストップ機構はアイドリングストップ作動中にステアリングを進行方向に切り始めるとエンジンが再始動するため、ドライバーの意図に合ったスムーズな発進を可能にしており、また、ブレーキペダルの緩め方一つでエンジンの再始動やアイドリングストップの維持などを車両が最適な判断を行うことで違和感を低減している。これらにより、「12X」・「12G」は26.0km/L(10・15モード)の低燃費を達成。アイドリングストップ機構を搭載しないグレードを含めて全車「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+25%」を同時に達成した。なお、日産では既存のエンジン車に次世代環境技術を搭載した"エンジン進化型エコカー"として「PURE DRIVE(ピュアドライブ)」を展開しており、4代目マーチは「PURE DRIVE」の第1弾として展開する。その証として、「12X」と「12G」にはリアに「PURE DRIVE」エンブレムが装着される。 グレード体系は装備を充実しながら130万円を切ったスタンダード仕様の「12S」、アイドリングストップ機構に加え、インテリジェントキー、カラードドアハンドル等を装備した充実仕様の「12X」、UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア・バックドア)、オートライトシステム(フロントワイパー連動、薄暮れ感知機能付)、タコメーター、オゾンセーフフルオートエアコン、SRSカーテンエアバッグシステム等を装備した上級仕様の「12G」の3グレードを用意し、「12X」と「12G」には4WD車も設定される(4WD車のグレード名称は「12X FOUR」と「12G FOUR」)。また、オーテックジャパン扱いのカスタムカー「ボレロ」もモデルチェンジを行い、同日に販売を開始した。販売開始当初、ボディカラーは9色(うち、特別塗装色3色)が設定されていたが、「12S」は「バーニングレッド」、「パシフィックブルーパールメタリック」、「シャンパーニュゴールドメタリック」を除く6色、「ボレロ」は4色であった。 なお、3点式シートベルト(前席のみプリテンショナー機構、ロードリミッター機構も付く)、EBD付きABSが全グレードで全席標準装備。「12G」以外でもオプションでサイド・カーテンエアバッグが選択できる。 2013年6月改良型では新たにジュークやZ34型フェアレディZに続くプレミアムスポーツバージョン(実質的にコンプリートカー扱い)である「NISMO」を設定することが発表された。マーチNISMOでは他の車種と異なり、モータースポーツファンやスポーツドライビング志向のユーザーのみならず、より幅広い層のクルマ好きユーザーにも提供できるよう、「NISMO」および「NISMO S」の2グレードが設定された。「NISMO」は、「X」をベースとした低燃費・エコ志向の1.2L・CVT車。「NISMO S」は、「S」をベースとして海外向けに設定されているHR15DE型エンジンにチューニングを施して出力・トルク共に大幅アップさせた専用仕様のエンジンを搭載し、車体剛性のアップも行ったパフォーマンス志向の1.5L・5MT車(なお、5MT車は海外向けでは設定があるものの、日本国内向けでは4代目にフルモデルチェンジされてから設定されておらず、今回の「NISMO S」が日本国内向けでは唯一の5MT車となる)。ボディカラーは既存の「ピュアブラックパールメタリック」と「ブリリアントシルバーメタリック」に加えて、NISMO専用色の「ブリリアントホワイトパール3コートパール(特別塗装色)」の3色展開となる。この「ブリリアントホワイトパール3コートパール」は2014年5月の一部仕様向上に伴い、他のグレードでも設定できるようになった。 2021年1月30日、改良新型版を3月、メキシコ市場で発売すると発表した。本格的なマイナーチェンジは8年ぶりとなる。改良新型の特長が、新デザインのフロントマスクである。Vモーショングリルの巨大化と、グリルと一体感を持たせた新デザインのヘッドライトによって、表情を一新している。なお、改良新型マーチには、6グレードが用意される。そのうちのいくつかのグレードには、ツートンカラーのオプションが選択できる。最上位グレードには、「Nissan Connect Finder」を搭載する、としている。また、日本での発売はされない。 2022年、販売終了予定。実質的な後継車は日産・ノートになる。 受賞歴 2010年12月 - スプリンググリーン外装+ブラック×アイボリー内装が、オートカラーアウォード2011ファッションカラー賞を受賞。
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