せいしん‐びょうりがく〔‐ビヤウリガク〕【精神病理学】
精神病理学
精神病理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 06:42 UTC 版)
意識混濁のコンセプトモデルは、自分自身と環境の認識に責任をもった脳の意識部分について、その「全体レベル」(英: overall level)を調節している脳の一部という考えである。さまざまな病因がこの脳の調節部分を妨害し、それが意識の「全体レベル」を乱すことがある。このような、意識の一般的活性化のある種の仕組みは、「覚醒」(英: arousal)あるいは「覚醒状態」(英: wakefulness)と呼ばれている。 ただし、必ずしも傾眠 (英語版) を伴うものではなく、患者は覚醒している(眠くない)にもかかわらず、意識が混濁している(覚醒障害)ことがある。患者は逆説的に「目覚めているが、別の意味ではそうでない」と明言する。リポウスキーは、ここで言われている「覚醒」の低下は、正確には眠気と同義ではないことを指摘している。1つは昏睡状態に向かう段階であり、もう1つは全く異なる睡眠に向かう段階である。 患者は、自らの言葉で「もやもやする」と表現するような意識混濁の主観的な感覚を経験する。ある患者は、「どういうわけか、靄(もや)がかかったようになったと思った…輪郭がぼんやりしていた」と表現した。「ぼーっとなった」と表現する患者もいる。夢と同じように、意識、注意、時間や場所の見当感、知覚、意識が妨げられるため、患者は自身の全体的な経験と夢を比較する。ハーバード大学医学大学院の精神科医であり、精神科の臨床指導医でもあるバーバラ・シルドクラウト医学博士は、国を横断する自動車旅行中に、ヒロハハコヤナギのアレルギーのために抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンを単回服用した後、意識混濁を起こした主観的な体験(「メンタル・フォグ」とも彼女は呼んだ)について説明した。彼女は「頭がぼーっとする」感じと「夢のような状態」になったと述べた。彼女は、自身の判断が信用できない感覚と、意識が鈍ってどれだけ時間が経ったのかわからなかったと述べた。意識混濁の患者と離人症の患者のどちらも、自らの体験を夢の中の経験とたとえたとしても、同じ疾患ではない。計量的心理テストでは、意識混濁と離人症との関係を示す証拠はほとんど見られない。 これは、事実上あらゆる認知タスクの実行に影響を与える可能性がある。ある著者は、「言うまでもなく、道理に通じた覚醒がなければ認識は不可能である。」と述べている。認知には、知覚、記憶、学習、実行機能(英語版)、言語、建設的才能、随意運動制御、注意および精神速度が含まれる。しかし、最も重要なのは、不注意、思考過程障害、理解力障害、および言語障害である。不注意はいくつかの認知機能を損なうことがあるため、障害の程度はさまざまである。患者は、もの忘れ、「混乱」、または「考えもまとまらない」と訴えることがある。その類似性にもかかわらず、亜症候群性せん妄は軽度認知障害(英: mild cognitive impairment)と同じものではない。根本的相違は、軽度認知障害は認知症と似た障害であり、覚醒(覚醒状態)の障害を伴わないということである。
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