第3のレウ (ROL)
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「ルーマニア・レウ」の記事における「第3のレウ (ROL)」の解説
1952年1月28日、再び通貨の切り替えが行われた。前回の第2のレウへの切り替えの時とは異なり、通貨の種類(現金、銀行預金、負債、など)に応じて異なる交換レートと異なる交換の上限が設定された。交換レートは新1レウ=20レイ - 400レイまでの幅があった。この時も、事前の通告なしに交換が行われた。 共産主義時代の間、通貨切り替えに引き続いて興ったインフレーションを抑えるために厳しい統制が必要になり、金本位制は廃止された。金本位制の廃止後、ルーマニア・レウは兌換不可となり、1970年から1989年までの間、為替レートは政府の定める法律によって固定された。この為替レートは外国との取引の量を表すために政府によって用いられたが、個人が外国通貨を売買することはできなかった。外国通貨の所持や、売買を試みることは刑事罰の対象とされ、最大で10年にわたって刑務所に収監される可能性があった(期間は所持していた外国通貨の量によって異なる)。このため、国際交易は国内の取引とは独立した経済の循環であると見なされ、その優先度は高かった。この硬直した構造と、1980年代における経済低迷による国内のカネ余りの状況によって、外国通貨への要求が高まった。ニコラエ・チャウシェスク政権はこのインフレーションを容認したため、1986年から1987年にかけてのルーマニア史上空前の供給危機を引き起こし、食糧は配給制となった。こうした経済危機は、政権に対する国民の拒否感へと結びつき、共産主義体制崩壊へつながっていった。 共産主義体制が崩壊した後の1990年には外国通貨の所持が合法化された。1990年代は改革の失敗により急激なインフレが進行し、1993年にはインフレ率は年間300%にのぼった。2003年の時点で、1ユーロはピーク時には4万レイ以上で取引された。1990年代後半から2000年代には金融政策も成功をみせ、次第に経済状況は安定化していった。2005年にはインフレ率はパーセントで1桁まで下がった。 トルコ・リラが2005年1月に6桁を落とす通貨切り替えを行ったことにより、2005年1月からルーマニア・レウが全世界で価値が最小の通貨単位 (Least valued currency unit) と目されるようになった。このときは100万レイ札も存在していた。しかし、ルーマニアの歴史上では100万レイよりも額面の大きい紙幣は登場し、最大のものは1947年の500万レイ札であった。
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第3のレウ
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1952年、新硬貨として1バン・3・5・10・25バニが発行された。うち1バン・3・5バニはアルミニウム青銅貨、その他は黄銅貨であった。1955年、50バニ黄銅貨が加わった。 1960年には新硬貨が導入され、5・15・25バニの硬貨が発行され、1963年にはこれに加えて1レウ・3レイの硬貨が発行された。これらは全てニッケル張り鉄貨であった。1975年には、5・15バニ硬貨はアルミニウム製のものに切り替わり、また1982年には25バニ硬貨もアルミニウム貨へと切り替えられた。1978年には5レイのアルミニウム貨が導入された。 1960年の「第3のレウ」Image額面諸元解説期日直径質量構成側面表面裏面導入年発行停止年流通停止年 5 バニ ニッケル張り鉄貨 平坦 額面と発行年 ルーマニアの国章、国名 1960年 1966年 15 バニ ニッケル張り鉄貨 平坦 額面とオリーブの木 ルーマニアの国章、国名、発行年 1960年 1966年 25 バニ ニッケル張り鉄貨 平坦 額面、農作業風景、麦 ルーマニアの国章、国名、発行年 1960年 1966年 1 レウ ニッケル張り鉄貨 平坦 額面、農地風景、背景に工業製品 ルーマニアの国章、国名、発行年 1963年 1966年 3 レイ ニッケル張り鉄貨 "~*~*" 額面、工業風景 ルーマニアの国章、国名、発行年 1963年 1966年 「第3のレウ」 1966年 - 1992年Image額面諸元解説期日直径質量構成側面表面裏面導入年発行停止年流通停止年 5 バニ ニッケル張り鉄貨 平坦 額面、発行年 ルーマニアの国章、国名 1966年 1992年 5 バニ アルミニウム 平坦 額面、発行年 ルーマニアの国章、国名 1975年 1992年 15 バニ ニッケル張り鉄貨 平坦 額面、オリーブの木 ルーマニアの国章、国名、発行年 1966年 1992年 15 バニ アルミニウム 平坦 額面、オリーブの木 ルーマニアの国章、国名、発行年 1975年 1992年 25 バニ ニッケル張り鉄貨 平坦 額面、農作業風景、麦 ルーマニアの国章、国名、発行年 1966年 1992年 25 バニ アルミニウム 平坦 額面、農作業風景、麦 ルーマニアの国章、国名、発行年 1982年 1992年 1 レウ ニッケル張り鉄貨 平坦 額面、農地風景、背景に工業製品 ルーマニアの国章、国名、発行年 1966年 1992年 3 レイ ニッケル張り鉄貨 "~*~*" 額面、工業風景 ルーマニアの国章、国名、発行年 1966年 1992年 5 レイ アルミニウム "~*~*" 額面、工業風景 ルーマニアの国章、国名、発行年 1978年 1992年 共産主義体制の崩壊に続いて、硬貨のデザインも1990年から1992年にかけて新しいものが導入された。新しい硬貨は1レウの青銅張り鉄貨、5・10レイのニッケル張り鉄貨、20・50レイの黄銅張り鉄貨、100レイのニッケル張り鉄貨からなる。 1990年の「第3のレウ」Image額面諸元解説期日直径質量構成側面表面裏面導入年発行停止年流通停止年 1 レウ 19 mm 2.50 g 青銅張り鉄貨 平坦 額面、オークの木、麦 ルーマニア国立銀行、国名、発行年、オークの木 1992年 2005年7月1日 無期限 1 レウ 19 mm 2.50 g 銅張り鉄貨 平坦 額面、国名、麦 ルーマニアの国章、発行年 1993年 2005年7月1日 無期限 5 レイ 21 mm 3.35 g ニッケル張り鉄貨 平坦 国名、額面、オークの木 ルーマニアの国章、発行年 1992年 2004年(?) (?) 10 レイ 23 mm 4.65 g ニッケル張り鉄貨 "~ ♦ ~ ♦ ~ ♦" 額面、発行年、オリーブの木 ルーマニアの国旗、国名、"22 DECEMBRIE 1989" 1990年 2004年(?) (?) 10 レイ 23 mm 5 g ニッケル張り鉄貨 平坦 国名、額面、オリーブの木 ルーマニアの国章、発行年 1992年 2004年(?) (?) 20 レイ 24 mm 5 g 黄銅張り鉄貨 平坦 額面、オークの木、発行年 シュテファン大公、国名、"ŞTEFAN CEL MARE" 1991年 2004年(?) (?) 50 レイ 26 mm 5.9 g 黄銅張り鉄貨 平坦 額面、オリーブの木、発行年 アレクサンドル・ヨアン・クザ、国名、"ALEXANDRU IOAN CUZA" 1991年 2004年(?) (?) 100 レイ 29 mm 8.75 g ニッケル張り鉄貨 "ROMANIA *** ROMANIA *** ROMANIA ***" 額面、オークの木、オリーブの木、発行年 ミハイ勇敢公、国名、"MIHAI VITEAZUL" 1991年 2005年7月1日 無期限 500 レイ 24 mm 3.75 g アルミニウム "ROMANIA ♦ ROMANIA ♦ ROMANIA ♦" 国名、額面、オリーブの木 ルーマニアの国章、発行年、オリーブの木 1999年 1,000 レイ 22 mm 2 g マグネシウム=アルミニウム合金 (AlMg3) 交互に平坦とギザ入り 国名、額面、発行年、ルーマニアの国章 コンスタンティン・ブルンコヴェアヌ、君臨年、"CONSTANTIN BRANCOVEANU" 2000年 5,000 レイ 24 mm12角形 2.50 g マグネシウム=アルミニウム合金 (AlMg3) 12の角 国名、額面 ルーマニアの国章、発行年、木の装飾 2001年 インフレーションの進行によって1999年、2000年、2001年にそれぞれ500・1,000・5,000レイ硬貨が導入された。2005年の通貨切替時まで流通していたのはこれらの通貨のみであった。これらの硬貨その形状ゆえに使いづらいという批判があった。500レイ硬貨は厚さが3ミリメートルほどと大変厚く、その通貨としての価値の低さに反してサイズが大きいため、無駄にポケットを占領してしまうといわれた。またこれらの通貨は材料も粗悪で、しばしば切り込み傷が見られた。1,000レイ硬貨は逆に小さすぎつくりも粗悪であった。5,000レイ硬貨は円形ではない(12角形)ために、自動販売機などの硬貨投入口での取り扱いが困難であった。これらの硬貨は2005年の通貨切替時に5・10・50バニに切り替えられた。
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第3のレウ
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1952年、ルーマニア財務省は1レウ・3・5レイ紙幣を、ルーマニア人民共和国銀行は10・25・100レイ紙幣を導入した。1966年、ルーマニア社会主義共和国国立銀行 (Banca Nationala a Republicii Socialiste Romania) が全ての紙幣発行業務を引き継ぎ、1レウ・3・5・10・25・50・100レイ紙幣を発行した。 1991年、500・1,000レイの紙幣が導入され、200・5,000レイ紙幣が1992年に、10,000レイ紙幣が1994年に、50,000レイ紙幣が1996年に、100,000レイ紙幣が1998年に、500,000レイ紙幣が2000年に、1,000,000レイ紙幣が2003年にそれぞれ導入された。このほかに、1999年8月11日の皆既日食を記念したデザインの2,000レイ紙幣が1999年に導入された。 2,000・10,000・50,000・100,000・500,000・1,000,000レイ紙幣の最後の発行はポリマー紙幣であった。 2005年の通貨切替時に流通していた紙幣は次の通り。 10,000レイ(新1レウに移行) 50,000レイ(新5レイに移行) 100,000レイ(新10レイに移行) 500,000レイ(新50レイに移行) 1,000,000レイ(新100レイに移行)
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