秋山郷及び周辺地域の山村生産用具とは? わかりやすく解説

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秋山郷及び周辺地域の山村生産用具

名称: 秋山郷及び周辺地域の山村生産用具
ふりがな あきやまごうおよびしゅうへんちいきのさんそんせいかつようぐ
種別 生産生業用いられるもの
員数 2,743
指定年月日 1976.08.23(昭和51.08.23)
所有者 津南町津南町歴史民俗資料館保管
所有者住所 新潟県中魚沼郡津南町
管理団体名:
備考 自然物採集143点,山79点,木工270点,藁仕事及びその他の仕事156点,諸職関係145点,狩猟漁撈117点,農具181点,畜産42点,養蚕47点,染織172点,運搬交易120点,仕事着68点,飲食灯火29点,信仰117
解説文: 昭和五十一年八月二十三日指定の「秋山郷及び周辺地域の山村生産用具」(昭和五十一年文部省告示第百四十四号)は、信濃川上流域豪雪地帯として知られる秋山郷その周辺地域山村生産活動特色を示す山用具木工用具狩猟用具農耕用具染織用具などのほか、それらによる製品巨細とりまとめたものである
 今回追加する物件は、昭和四十九年に設置され津南町歴史民俗資料館活動地域住民の協力によってその後新たに収集された資料二九点で、自然物採集用具の項を設け関係資料追加するとともに既存諸職関係用具信仰用具の項を中心に資料追加し、既指定文化財内容をさらに補強充実することを図ったのである
 秋山郷代表されるこの地域は、豊富な自然に囲まれそれらを巧みに利用しながら伝統的な生活が営まれてきたところである。自然物採集用具は、主としてこの地域日常生活に密接に関連する資料や、日常品素材採取用いられる用具内容とする。資料直接採取用い用具栃の実他の加工用具及び素材製品からなるこのなかで栃の実加工用具はこの地域食生活特色付けるものとして重要である。
 栃の実は、秋山郷においては救荒食料であるばかりでなく、主食ともいえるほど高い位置占めている。この地方栃の実一般的な食べ方は、乾燥保存していたもの必要に応じて取り出し、皮を剥いて漬けさらに木灰まぶしてアク抜きをし、煮て粉にする。これを雑穀粉と混ぜてアンボと呼ぶ焼き餅としたり、あらかじめ搗いてある餅に混ぜて栃餅とするものである今回はそれらに必要な用具加えて栃の実採集後ただちに食用供するためのトチザワシと呼ばれるアク抜き加工法用いられる用具含んでおり注目される。このトチザワシは、生の実に囲炉裏の熱灰をかけて表皮焼き、石の上テッコという棒で叩いて皮を剥いた後、から煮て糊状とし、これをサワシダイに載せ流水をかけてアク抜きをする方法である。この二通り加工方法は、我が国基盤的食文化考え上で貴重なのである
 諸職用具従来資料では木羽屋根職の用具がその大半占めていたが、今回資料茅屋根職、漆掻き和蝋燭作り、ホエズ製作・紙漉き漁網製作の各用具加えて、この地方伝統的な職種用具充実することになる。このうち、ホエズ製作の用具は、原野自生する薄【すすき】のホエ(穂)のうち極細のものを採取し、馬の尻毛編み糸として紙漉き用の簀を編む用具である。この地は地味が痩せていることもあり、古くから極細ホエの多いところとして他所からもホエズ製作業者が採取訪れた
 厳し自然に囲まれ山間地はまた豊かな信仰を育んだ。秋山郷ではカマガミサマと呼ぶ家の神があり、正月三日にカマガミサマの年取り呼ばれる行事がある。小正月には木製双体の神像作り年ごと更新して祀る。この神像形態集落などによってさまざまである。このほか、小正月行事用具や講関係用具及び各種民間信仰用具追加され、この地域信仰生活を知る上で貴重なのである
 今回追加用具類は、いずれもこの地域生産生活の特色如実に示すものであり、既指定用具類補足し指定効果を一層高めるものである



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