神の存在証明とは? わかりやすく解説

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かみのそんざい‐しょうめい【神の存在証明】

読み方:かみのそんざいしょうめい

神・絶対者存在理性に基づく論証によって証明しようとする試み中世スコラ哲学キリスト教神学など。


神の存在証明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 00:07 UTC 版)

神の存在証明(かみのそんざいしょうめい、英語:Existence of God)とは、主として(少なくとも、西欧哲学でこの言葉を使うときは)、中世哲学における理性による、神の存在の根拠の提示の試行を意味する。中世以前では、神の存在は自明と考えられていたが、『神学大全』の著者トマス・アクィナスは、「神は、自然なる理性においても、その存在や超越的属性が論証可能な存在である」と主張した。このように神の存在を、理性や推論によって導出しようとする試みが、「神の存在証明」と呼ばれる。様々な思想家が、神の存在証明を試みてきた。


  1. ^ Craig, WL., The Cosmological Argument from Plato to Leibniz, Wipf and Stock Publishers, 2001, pp. 1–5, 13.
  2. ^ Aristotle, Physics VIII, 4–6; Metaphysics XII, 1–6.
  3. ^ Duncan, S., Analytic Philosophy of Religion: Its History Since 1955 (2010), Humanities-Ebooks, p. 165.
  4. ^ Duncan, S., Analytic philosophy of religion: its history since 1955, Humanities-Ebooks, p.165.
  5. ^ Moran, Dermot and Adrian Guiu, "John Scottus Eriugena", The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Winter 2019 Edition), Edward N. Zalta (ed.), [URL = <https://plato.stanford.edu/archives/win2019/entries/scottus-eriugena/].
  6. ^ Summa Theologica, St. Thomas Aquinas
  7. ^ Scott David Foutz, An Examination of Thomas Aquinas' Cosmological Arguments as found in the Five Ways Archived 2008-05-09 at the Wayback Machine., Quodlibet Online Journal of Christian Theology and Philosophy


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神の存在証明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:50 UTC 版)

哲学上の未解決問題」の記事における「神の存在証明」の解説

詳細は「神の存在証明」を参照 神は存在するか。歴史上偶有性議論存在論議論道徳的議論といった形態を含む多様な議論が、アリストテレスデカルトライプニッツゲーデルアクィナスなどの哲学者により、神の存在証明をめぐって提起されている。神の存在証明は通常哲学者が神の異な概念提示しているとしても、多神教における個々神々とは異なる、形而上学的または論理的に必要な最も偉大な存在である何かに言及するウィトゲンシュタインカントは、合理的な議論神の存在証明できることに疑念抱きながらも、他方では宗教的信念守った哲学者また、邪悪や神の隠蔽性問題のような神の存在対す異議についても考察している。

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神の存在証明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/01 03:47 UTC 版)

省察」の記事における「神の存在証明」の解説

欺く神 (Dieu trompeur)、悪しき霊(genius malignus)を否定し誠実な神を見出すために、デカルトは神の存在証明を行う。 第一証明 - 意識中における神の観念無限な表現的実在性観念表現する実在性)は、対応する形相実在性現実的実在性)を必然的に導く。我々の知は常に有限であって間違い犯すが、この「有限」であるということを知るためには、まさに「無限」観念があらかじめ与えられていなければならない第二証明 - 継続して存在するためには、その存在保持する力が必要であり、それは神をおいて他にない。 第三証明 - 完全な神の観念は、そのうち存在を含む。(アンセルムス以来の証明悪しき霊という仮定は神の完全性・無限性から否定され誠実な神が見出される誠実な神が人間欺くということはいために、ここに至って方法的懐疑によって退けられていた自己の認識能力改め信頼取り戻すことになる。

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神の存在証明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 09:52 UTC 版)

ルネ・デカルト」の記事における「神の存在証明」の解説

欺く神 (Dieu trompeur)・ 悪い霊 (genius malignus) を否定し誠実な神を見出すために、デカルトは神の存在証明を行う。 第一証明 - 意識中における神の観念無限な表現的実在性観念表現する実在性)は、対応する形相実在性現実的実在性)を必然的に導く。我々の知は常に有限であって間違い犯すが、この「有限」であるということを知るためには、まさに「無限」観念があらかじめ与えられていなければならない第二証明 - 継続して存在するためには、その存在保持する力が必要であり、それは神をおいて他にない。 第三証明 - 完全な神の観念は、そのうち存在を含む。(アンセルムス以来の証明) 悪い霊という仮定は神の完全性・無限性から否定され誠実な神が見出される誠実な神が人間欺くということはいために、ここに至って方法的懐疑によって退けられていた自己の認識能力改め信頼取り戻すことになる。 物体本質存在説明も、デカルト的な自然観適用するための準備として不可欠である。三次元の空間の中で確保される性質(幅・奥行き・高さ)、すなわち「延長」こそ物体本質であり、これは解析幾何学手法によって把捉される。一方物体関わる感覚的条件(熱い、甘い、臭いetc.)は物体感覚器官触発することによって与えられるなにものかが与えられるためには、与えるものがまずもって存在しなければならないから、物体存在することが確認される。しかし、存在するからといって方法的懐疑によって一旦退けられ感覚によってその本質を理解することはできない純粋な数学・幾何学的な知のみが外在としての物体対応する。このことから、後述する機械論的世界観生まれる。 明晰判明規則存在証明によって絶対確実な信念をもって適用され、更に物体本質存在説明され後で明晰判明知られる数学的力学的知識そのまま外部実在を持つことが保証される結果数学的力学的世界として、自然は理解されることになる。コギト梃子に、世界その実在明らかにされるのである。 なお、このような「神」は、デカルト思想にとってとりわけ都合のよいのであるブレーズ・パスカルはこの事実指摘し、『パンセ』の中で「アブラハムイサクヤコブの神。哲学者科学者の神にあらず」とデカルト批判した。すなわち、デカルトの神は単に科学上の条件一部であって主体的に出会う信仰対象ではない、というのである

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