白湯
読み方:さゆ・しらゆ・はくとう
白湯とは、何も混ぜていない、ただ水を沸かしただけの「お湯」のこと。一般的には飲用の湯を指し、沸騰させてから飲める程度まで冷ましたもの(=湯冷まし)を指す場合が多い。文脈によって用法や読み方が違ってくる。
飲み物としての「白湯」は「さゆ」と読まれることが多い。「しらゆ」とも読まれる。「はくとう」と読む場合もある。これは「薬湯」に対する語であり、すなわち薬草などを混ぜていない浴用のお湯のことである。ただし、詩吟や漢文などでは、飲用の白湯(さゆ)を敢えて漢語的に「はくとう」と読む場合もある。
白湯は普通の水を沸かしただけのお湯であり、基本的には茶・コーヒー・ジュース・酒類などの飲み物全般と対比される。こうした飲み物と違い、白湯には何も入っていないので、誰でも安心して飲むことができる飲み物である。湯冷ましは飲みやすく、すぐれた水分補給の手段である。カフェインも糖類もアルコールも入っていないため、医薬品との相互作用も起きず、医薬品の服用にも適する。
英語には、白湯に直接に対応する単語が特にない。あえて訳出する場合は hot water あるいは boiled water のように表現されることが多い。「何も入れていない」意味合いを明示するために plain の語を加える場合もある。
一般的な白湯の作り方。白湯は、水道水やミネラルウォーターを沸騰させた、90度以上の温度にした湯を指すことが多い。「湯冷まし」は、一度そこまで温度を挙げた白湯を、ぬるさを感じる程度(おおもね20~30度ほど)まで冷ました水を指すことが多い。とはいえ、沸騰した段階から、湯冷ましも含めた、「いちど沸かした水(湯)」を総称して「白湯」に含めることも多い。数値的な厳密な定義はないといってよい。
白湯は、元の水の種類を特に問わない。水道水でもミネラルウォーターでも、そのまま沸かせば白湯に該当する。沸騰のさせ方にも特に決まりはない。強火にかけて一気に沸騰させても、とろ火でじっくり時間をかけて沸騰させても、もちろん電気ケトルなどを使ってもよい。吹きこぼれには注意されたい。
水道水は、「水道法」の規定により、微量の残留塩素を含めることが義務付けられている。つまり、水道から出てきた直後の水には、ごく微量ながら塩素化合物が含まれている。無害であり健康になんら影響は及ぼさないものの、においや味に微妙な影響が表れる場合はある。そんな水道水も、いちど沸騰させるとことによって、塩素のにおいや味が飛び、気にならなくなることが多い。白湯はこうした観点から好まれている場合も多い。なお、水道水に含まれた塩素化合物を完全に除去するには10分程度は沸騰させ続ける必要があるとされる。
白湯は、お湯であるため、当然ながら体を温める効果が期待できる。体温上昇、冷え性の改善、冷えからくる内臓機能低下の改善などが見込まれる。水分を摂取しつつ、体の内側から温めることで、消化器系が活発化し、利尿や排便も促される。体温と共に血液も温まれば全身の血液循環も促される。血液循環が改善すれば体の中の老廃物などが排出されやすくなり、代謝も上がりやすくなる。そして、白湯は、急速に体温を上げるわけではなく、内側からじんわりと温めることになるため、体への負担が少ない。
白湯は、いつ飲んでも効果が見込めるが、とりわけ朝、起きてすぐに時間をかけて飲むのが最も効果的とされる。朝は体温が一日の中で最も低い時間帯であり、この時点で白湯の飲むことによって、冷えた体を温め、代謝を上げることができる。もちろん朝以外の時間に飲んでも効果は得られる。カフェインや砂糖が入っているわけではないので、寝る前に飲んでも就寝を阻害しない。むしろ、寝る前の白湯は、体温が上昇することによって体をリラックスさせ、寝付きをよくする効果が期待できる。水道と湯沸かしがあればいつでも用意できるというメリットもある。温度にさえ気をつければ乳幼児の水分補給にも最適である。
「白湯」は「パイタン」と読む場合もある。パイタンは、鶏や魚介類、豚肉などを強火で長時間煮込んでつくるスープのことである。中国語で湯(タン)はスープを意味する言葉であり、白い湯(スープ)のことを指している。実際、パイタンは白く濁ったスープである。パイタンは、「湯(タン)」の一種であり、ほかにも基本の上湯(シャンタン)や、鶏や豚を使っているが、澄んでいる清湯(チンタン)、鶏メインで作る鶏湯(ジータン)など、様々な種類の湯(タン)がある。
日本では「白湯(パイタン)」といえば「鶏白湯」を指すものと認識されがちであるが、パイタンの材料は鶏ガラとは限らない。鶏以外にも豚肉や魚介類から作られるパイタンがある。それぞれ味も特徴も違う。鶏白湯は、鶏ガラスープを強火で沸騰させ、煮込んで作るスープのことであり、鶏の脂肪やゼラチン質が溶けるため、白く濁るといわれている。豚白湯も鶏白湯同様、豚肉を材料に長時間煮込んで作るスープであり、魚介類を使って作るパイタンもある。また、これらの材料をミックスさせて作る場合もあり、作り方や味はひとつではない。これら以外の材料であっても、煮込んでいるうちに乳化して白くなるようであれば、パイタンと呼ばれる。
白湯とは、何も混ぜていない、ただ水を沸かしただけの「お湯」のこと。一般的には飲用の湯を指し、沸騰させてから飲める程度まで冷ましたもの(=湯冷まし)を指す場合が多い。文脈によって用法や読み方が違ってくる。
飲み物としての「白湯」は「さゆ」と読まれることが多い。「しらゆ」とも読まれる。「はくとう」と読む場合もある。これは「薬湯」に対する語であり、すなわち薬草などを混ぜていない浴用のお湯のことである。ただし、詩吟や漢文などでは、飲用の白湯(さゆ)を敢えて漢語的に「はくとう」と読む場合もある。
白湯は普通の水を沸かしただけのお湯であり、基本的には茶・コーヒー・ジュース・酒類などの飲み物全般と対比される。こうした飲み物と違い、白湯には何も入っていないので、誰でも安心して飲むことができる飲み物である。湯冷ましは飲みやすく、すぐれた水分補給の手段である。カフェインも糖類もアルコールも入っていないため、医薬品との相互作用も起きず、医薬品の服用にも適する。
英語には、白湯に直接に対応する単語が特にない。あえて訳出する場合は hot water あるいは boiled water のように表現されることが多い。「何も入れていない」意味合いを明示するために plain の語を加える場合もある。
一般的な白湯の作り方。白湯は、水道水やミネラルウォーターを沸騰させた、90度以上の温度にした湯を指すことが多い。「湯冷まし」は、一度そこまで温度を挙げた白湯を、ぬるさを感じる程度(おおもね20~30度ほど)まで冷ました水を指すことが多い。とはいえ、沸騰した段階から、湯冷ましも含めた、「いちど沸かした水(湯)」を総称して「白湯」に含めることも多い。数値的な厳密な定義はないといってよい。
白湯は、元の水の種類を特に問わない。水道水でもミネラルウォーターでも、そのまま沸かせば白湯に該当する。沸騰のさせ方にも特に決まりはない。強火にかけて一気に沸騰させても、とろ火でじっくり時間をかけて沸騰させても、もちろん電気ケトルなどを使ってもよい。吹きこぼれには注意されたい。
水道水は、「水道法」の規定により、微量の残留塩素を含めることが義務付けられている。つまり、水道から出てきた直後の水には、ごく微量ながら塩素化合物が含まれている。無害であり健康になんら影響は及ぼさないものの、においや味に微妙な影響が表れる場合はある。そんな水道水も、いちど沸騰させるとことによって、塩素のにおいや味が飛び、気にならなくなることが多い。白湯はこうした観点から好まれている場合も多い。なお、水道水に含まれた塩素化合物を完全に除去するには10分程度は沸騰させ続ける必要があるとされる。
白湯は、お湯であるため、当然ながら体を温める効果が期待できる。体温上昇、冷え性の改善、冷えからくる内臓機能低下の改善などが見込まれる。水分を摂取しつつ、体の内側から温めることで、消化器系が活発化し、利尿や排便も促される。体温と共に血液も温まれば全身の血液循環も促される。血液循環が改善すれば体の中の老廃物などが排出されやすくなり、代謝も上がりやすくなる。そして、白湯は、急速に体温を上げるわけではなく、内側からじんわりと温めることになるため、体への負担が少ない。
白湯は、いつ飲んでも効果が見込めるが、とりわけ朝、起きてすぐに時間をかけて飲むのが最も効果的とされる。朝は体温が一日の中で最も低い時間帯であり、この時点で白湯の飲むことによって、冷えた体を温め、代謝を上げることができる。もちろん朝以外の時間に飲んでも効果は得られる。カフェインや砂糖が入っているわけではないので、寝る前に飲んでも就寝を阻害しない。むしろ、寝る前の白湯は、体温が上昇することによって体をリラックスさせ、寝付きをよくする効果が期待できる。水道と湯沸かしがあればいつでも用意できるというメリットもある。温度にさえ気をつければ乳幼児の水分補給にも最適である。
「白湯」は「パイタン」と読む場合もある。パイタンは、鶏や魚介類、豚肉などを強火で長時間煮込んでつくるスープのことである。中国語で湯(タン)はスープを意味する言葉であり、白い湯(スープ)のことを指している。実際、パイタンは白く濁ったスープである。パイタンは、「湯(タン)」の一種であり、ほかにも基本の上湯(シャンタン)や、鶏や豚を使っているが、澄んでいる清湯(チンタン)、鶏メインで作る鶏湯(ジータン)など、様々な種類の湯(タン)がある。
日本では「白湯(パイタン)」といえば「鶏白湯」を指すものと認識されがちであるが、パイタンの材料は鶏ガラとは限らない。鶏以外にも豚肉や魚介類から作られるパイタンがある。それぞれ味も特徴も違う。鶏白湯は、鶏ガラスープを強火で沸騰させ、煮込んで作るスープのことであり、鶏の脂肪やゼラチン質が溶けるため、白く濁るといわれている。豚白湯も鶏白湯同様、豚肉を材料に長時間煮込んで作るスープであり、魚介類を使って作るパイタンもある。また、これらの材料をミックスさせて作る場合もあり、作り方や味はひとつではない。これら以外の材料であっても、煮込んでいるうちに乳化して白くなるようであれば、パイタンと呼ばれる。
さ‐ゆ【▽白湯/▽素湯】
しら‐ゆ【白湯】
パイタン【白湯】
はく‐とう〔‐タウ〕【白湯】
白湯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 21:30 UTC 版)
白湯(さゆ)は、水を沸かしただけで何も入れていない湯のこと[1]。
- ^ “白湯(さゆ)とは”. コトバンク. 2014年8月20日閲覧。
- ^ “湯冷まし(ユザマシ)とは”. コトバンク. 2014年12月15日閲覧。
- ^ “正しい薬の飲み方”. 一般社団法人 宮崎県薬剤師会. 2023年3月20日閲覧。
- ^ “巨大地震に備えて(その2)|愛知県衛生研究所”. www.pref.aichi.jp. 2020年3月20日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “なぜコンビニで「お湯」が売られるのか”. インプレスウォッチ. 2023年3月21日閲覧。
- ^ [ニュースあなた発]白湯売れてます 健康志向の男性も注目/想定の2倍 飲料メーカーのリベンジ『東京新聞』夕刊2023年3月20日1面(同日閲覧)
- ^ 中国で万能薬のように扱われる「白湯」、日本人が飲まないなんて=中国 サーチナ(2021年4月20日)
- ^ 「China’s go-to beverage? Hot water. Really.」[Los Angeles Times](2016年3月16日)
- ^ 「どうして中国人は白湯を飲むのが好きなの?起源はココに!」人民日報日本語版(2019年7月3日)
[続きの解説]
「白湯」の例文・使い方・用例・文例
- 薬を白湯で飲む
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白湯と同じ種類の言葉
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